萩原利久が、お笑いコンビ「ジャルジャル」の福徳秀介の小説家デビュー作を映画化する「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」に主演することがわかった。河合優実がヒロインを演じる。2025年4月公開予定。
原作は、「ジャルジャル」の福徳が20年に小説家デビューを果たした恋愛小説。「勝手にふるえてろ」「私をくいとめて」やNHKドラマ「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」などを手掛けた大九明子が監督と脚本を務めた。
主人公は、冴えない毎日を送る大学生の小西。学内唯一の友人・山根や銭湯のバイト仲間・さっちゃんとは、他愛もないことでふざけあう日々。ある日の授業終わり、お団子頭の桜田の凛々しい姿に目を奪われ、思い切って声をかけると、偶然が重なり急速に意気投合する。会話が尽きない中、「毎日楽しいって思いたい。今日の空が一番好き、って思いたい」と桜田が何気なく口にした言葉が胸に刺さる。その言葉は、奇しくも半年前に亡くなった祖母の言葉と同じだった。そんな矢先、運命を変える衝撃の出来事が二人を襲う。
主人公・小西徹を演じるのは、ドラマ「美しい彼」シリーズなどで人気を獲得した萩原。大九監督作品は、ドラマ「想ひそめし」「美人が婚活してみたら」に続き3作目の出演となる。小西が恋に落ちるヒロイン・桜田花役は、ドラマ「不適切にもほどがある!」でブレイクした河合。大九監督作品は「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」以来2度目で、萩原とは初共演となる。
撮影は4月6~28日に関西を中心に行われ、原作者・福徳の出身校である関西大学が撮影に全面協力。原作の世界観そのままに小西のリアルな日常を映し出すことに一役買っている。ティザービジュアルは、関西大学構内で撮影された。
萩原は「世の中で見たら小西たちがやっていることはすごく小さなテリトリーの中での話で全員が共感できるものでないかもしれません。ただ共感できない人も小西たちの世界をちょっと覗くような感覚で見てもらえたら楽しんでいただけると思います」とコメント。一方、河合は「人を想うというシンプルなことを、それぞれの立場でひねくれながら、それでも大切にわかろうとしているような人たちのお話でした。そして映画を作る私たちも登場人物たちと一緒になって、大切なことを大切にわかろうとしていた現場だったような気がします」と撮影を振り返った。
萩原、河合、大九監督、原作者の福徳のコメント全文は以下の通り。
【萩原利久】
小西を演じてみて、「本当に難しかったな」というのが率直な感想です。全体でもそうですし、シーン1つ1つを取ってみても常に掛け違えているんじゃないかと考えていました。とことん自由だけど、とことん考える、そんな現場でした。
河合さんと初共演して、すごく強くて、しなやかな方だなと思いました。小西と桜田さんのやりとりはこれっていう正解がなく難しいと思うんですけど、河合さんはしっかりと芯を持って演じられていて、とても頼りにさせてもらっていました。
世の中で見たら小西たちがやっていることはすごく小さなテリトリーの中での話で全員が共感できるものでないかもしれません。ただ共感できない人も小西たちの世界をちょっと覗くような感覚で見てもらえたら楽しんでいただけると思います。
是非みなさん劇場でご覧ください!
【河合優実】
桜田花を演じました、河合優実です。
人を想うというシンプルなことを、それぞれの立場でひねくれながら、それでも大切にわかろうとしているような人たちのお話でした。そして映画を作る私たちも登場人物たちと一緒になって、大切なことを大切にわかろうとしていた現場だったような気がします。
その答えのない営みを萩原利久さんはとてもまっすぐな力で、一緒にしてくれたと思っています。また、このような作品で大九明子監督と再会することができたことを嬉しく思います。この映画を通して出会ってくれたみなさんに感謝しています。
ご覧いただいたみなさんの胸に風が通り抜けるような映画にきっとなりますように。
【監督・脚本:大九明子】
このシナリオを書き始めた2年前、私は命のことばかり考えていました。永遠だと思っていた身近な人の命や、紛争戦争で奪われる命のことなど。だからでしょうか、若い登場人物達がピリッと張り詰めて命を燃やす一瞬一瞬を、せめて私が撮る間くらいは間違いも含めて全部肯定したかったのです。
お久しぶりー、の萩原利久さんも、この間はどうもー、な河合優実さんも、私にとってはお馴染みのお二人、どちらもキラキラ燃えていました。“セレンディピティ”と呼びたくなる面白い偶然がいくつも重なり合って完成した本作。映画館の暗がりにて、皆さんをお待ちしております。
【原作:福徳秀介(ジャルジャル)】
映画化、とても嬉しいです。めちゃくちゃ嬉しいです。<嬉しい>に勝る言葉はないですね。
完成した映画も見させていただきました。最高の映画でした。それはそれは最高の映画でした。〈最高の映画〉なんて安易な言い方ですが、本当に最高の映画です。
この映画、皆さまに本気でオススメします。
皆さまの大切な2時間を、この映画にくださいませ。
見終わったあとは、放心状態になります。そして誰かと喋りたくなります。