ティム・バートン監督が、自身の出世作となった1988年の映画「ビートルジュース」の35年後を描く「ビートルジュース ビートルジュース」(9月27日から公開中)。前作に引き続き参加したキャサリン・オハラ、本作から新たに参加したジェナ・オルテガが取材に応じ、撮影の裏側やバートン監督作品の魅力を語った。
【あらすじ】
死後の世界で「人間怖がらせ屋」を営む推定年齢600歳のビートルジュースは、かつて結婚を迫るもかなわなかったリディアのことをいまだに忘れられずにいた。リディアは自身の霊能力を生かしてテレビ番組の司会者として活躍しているが、私生活では一人娘アストリッドとの関係に頭を悩ませている。アストリッドは幽霊の存在を信じておらず、母の霊能力もインチキだと思っているのだ。ある日、数世紀前から死後の世界の倉庫に封じられていたビートルジュースの元妻ドロレスが復活し、ビートルジュースに対して復讐を企てる。一方、アストリッドが死後の世界に囚われてしまい、リディアは最終手段としてビートルジュースに助けを求めるが……。
主人公・ビートルジュースをマイケル・キートン、当時16歳だったウィノナ・ライダーが娘を持つ母親になったリディアを続投。オハラはリディアの母親・デリア、オルテガはリディアの娘・アストリッドを演じている。
親子を演じたライダーについて、「私たちはすごく似たところがある」というオルテガ。撮影を通して信頼関係を築いた。
「お互いどんなことを参考にしているのかなども話したりしました。でも、私より彼女の方がずっとかっこよかったです。それに、彼女はすごく多くの人達に影響を与えてきたような人だと思うのです。ウィノナと一緒に過ごした時間は全てすごく大切に思えたし、今回をきっかけに2人の関係性を築けたように思います。この作品のおかげですごく親しくなれたんです。だから、感謝の気持ちでいっぱいです。彼女はすごくスペシャルな人です」(オルテガ)
バートン監督とも役柄についてなどさまざまなことを話し合ったといい、オルテガは「一番こだわっていたのは、例えば、私がリディアの下手な物真似をしていないかということでした。“リディアの娘”ではありますが、物真似を目指していたわけではありません。アストリッドは、自分らしさをしっかり持っている人物だと思っていました。だからそれを目指して役作りをしました」と振り返る。
バートン監督の映画の魅力を聞くと、オハラは「彼は、誰も自分をわかってくれないと思っているような観客の心に届く作品が作れる人です。誰も自分を理解してくれない、と思っているような人達が、彼には私の気持ちがわかっていると思えるような作品を作れるのだと思います」と持論を展開する。
「彼の映画に登場するキャラクターの多くは、例えばシザー・ハンズのように厄介なものを抱えていたりします。それは鎧みたいなもので、相応しい表現か分かりませんが、つまりゴスとも言えるようなものだと思います。身を守るような鎧を付けていて、本当に人に愛されたいと思っている人達です。彼にはそういう人達の気持ちが分かっているし、そういう人達を大事に思っているのです。それは彼自身が人生において、そういう思いをしたことがあったからです。もしそうでなかったとしても、そういう人達の気持ちが完全に理解できるのです。だから彼は、そういうキャラクターを大切に愛情を持って描ける人なのです。そして彼にしかできないアーティスティックな世界観を作り出せる人です。すべてのシーンが、アートみたいなものだと思うのです」(オハラ)
オルテガは「キャサリンが言ったこと全てに同意します。お見事です」と頷き、「良い子だわ」とオハラを笑わせてから、自身の思うバートン監督と彼の作品の魅力を語った。
「彼は、ビジュアル的に本当に独自の視点を持っている人だと思います。彼と比較できるような人は存在しないと思うのです。あれほどオリジナリティがあり、独自の世界観を持っているということが、本当に驚きで感動的でした」(オルテガ)