9月第4週の北米映画市場では、週末3日間の興行収入ランキングのトップ10に新作がいくつか入りましたが、興行成績は全体的に低調な結果となりました。ドリームワークス・アニメーション最新作「野生の島のロズ」(ワーナー)が、初登場1位を獲得。米作家ピーター・ブラウンの児童文学「野生のロボット」シリーズを原作に、「ヒックとドラゴン」のクリス・サンダースが監督を務めました。
本作は、野生の島で起動した最新型アシストロボットの“ロズ”に、ひょんなことから愛情が生まれ、動物たちとともに生き、島の危機を乗り越えていく物語。ルピタ・ニョンゴが、貨物船の墜落事故で、野生動物のなかに放り出されるロズの声を務めました。そのほか、ペドロ・パスカル、キャサリン・オハラ、ビル・ナイ、キット・コナー、ステファニー・スー、マーク・ハミルらがボイスキャストとして参加。製作費7800万ドルに対し、週末3日間で興収3500万ドルを記録しました。米映画批評サイト「Rotten Tomatoes」で批評家スコア・観客スコアともに98%(9月30日時点)を記録するなど、高い評価を獲得しています。
ティム・バートン監督のホラーコメディ「ビートルジュース ビートルジュース」(ユニバーサル)は、3週連続で首位を守っていましたが、4週目でついに2位にダウン。週末3日間で興収1600万ドルをあげました。累計興収は2億2500万ドルを突破し、24年に公開された映画のなかで興収6位となっています。
インドのアクション映画「Devara Part 1(原題)」(Prathyangira Cinemas)は、4位に初登場。N・T・ラーマ・ラオ・Jr.(「RRR」)が村の首長であり密輸業者ハンターのDevaraと、父に逆らう息子のVaraを、一人二役で演じました。コラターラ・シバ監督(「MIRCHI ミルチ」)がメガホンをとり、限定公開され、週末3日間で興収510万ドルを記録しました。
6位には、フランシス・フォード・コッポラ監督の野心作「Megalopolis(原題)」(ライオンズゲート)がランクインしました。物語の舞台は、“ニューローマ”と呼ばれるユートピアとなったニューヨーク。同都市の設計責任者である天才芸術家セザール(アダム・ドライバー)は、強欲で保守的な市長キケロ(ジャンカルロ・エスポジート)と対立していますが、彼の娘ジュリア(ナタリー・エマニュエル)と恋仲にありました。セザールの元愛人ワウ・プラチナム(オーブリー・プラザ)と、銀行の頭取クラッスス(ジョン・ボイト)との結婚式で、セザールの従兄弟クローディオ(シャイア・ラブーフ)は、スキャンダルの暴露によって、セザールを失脚させようと目論みます。
タリア・シャイアがセザールの母親を演じ、ローレンス・フィッシュバーンがナレーションを担当。製作費1億2000万ドルに対し、週末3日間の興収は400万ドルとなり、厳しいスタートを切りました。
メイジー・ステラとプラザが共演したコメディ「My Old Ass(原題)」(アマゾン、MGM)は8位となり、公開3週目にしてトップ10入りを果たしました。ティーンエイジャーのエリオット(ステラ)は友人たちと島へ遊びに行き、キノコを食べて見た幻覚のなかで、39歳になった自分自身(プラザ)と対面し、自らの生き方を見つめ直すことになります。サンダンス映画祭2024でプレミア上映され、週末3日間で興収220万ドルをあげました。