神尾楓珠と桜田ひよりが主演する「大きな玉ねぎの下で」の特別映像とオンライン限定ビジュアルが披露された。あわせて、追加キャストとして伊東蒼、藤原大祐、窪塚愛流、瀧七海らが出演することが発表された。
本作は、デビュー40周年を迎えた人気ロックバンド「爆風スランプ」が1985年に発表したヒット曲にインスパイアされた物語。「大きな玉ねぎの下で」はペンフレンドの文通相手と初めて武道館で待ち合わせる淡く切ない恋模様を綴ったバラードソングで、「大きな玉ねぎ」は日本武道館の屋根の上に光る擬宝珠を指している。
映画で描かれるのは、手紙やノートでのやり取りを通して、顔も知らない相手に恋をするラブストーリー。SNSで簡単に繋がれる時代に、あえて手書きで心の声を綴りながら関係を築いていくノスタルジックな世界観と、令和と平成の2つの恋が交錯することも見どころとなっている。監督は「彼女が好きなものは」「アイミタガイ」(11月1日公開)の草野翔吾。脚本は「東京リベンジャーズ」などを手掛けた高橋泉が担当した。
夜はバー、昼はカフェになる「Double」で働く丈流(神尾)と美優(桜田)。2人を繋ぐのは、連絡用のバイトノートだけ。最初は業務連絡だけだったが、次第に趣味や悩みも綴るようになっていく。お互い素性を知らないまま、2人は「大きな玉ねぎの下」(武道館)で初めて会う約束をする。一方、あるラジオ番組では30年前の文通相手(ペンフレンド)との恋が語られていた。
追加キャストとして発表されたのは、1989年の平成初期を舞台に、手紙を通じて描かれる“もう1つの恋”を担う4名。「湯を沸かすほどの熱い愛」で第31回高崎映画祭最優秀新人女優賞を受賞し、その後も「空白」「さがす」「世界の終わりから」などの話題作に出演する伊東が演じるのは、秩父に住む高校生・池尻今日子役。本作では病気を患い辛い日々を送りながらも、当時ペンフレンドと呼ばれた文通相手に淡い想いを寄せる女子高校生を好演。本作について「好きな人が選んでくれた便箋と封筒、書いた文字、言葉や行間、どれも手紙ならではの宝物だと思います。この映画が私たちから、皆さんへの『お手紙』になってくれれば嬉しいです」とコメントを寄せた。
「モエカレはオレンジ色」やドラマ「リビングの松永さん」「柚木さんちの四兄弟。」などに出演し、シンガーソングライターとしても活動する藤原は、三浦に住む男子高校生・虎太郎役。親友・大樹に頼まれて手紙を代筆するうちに文通相手に恋してしまう役どころだ。「ハピネス」で初主演を飾った窪塚は、虎太郎と同じ放送部に所属する府川大樹役で出演。本作では親友・虎太郎を振り回すお調子者なキャラクターに扮する。
藤原と窪塚は3回目の共演となり、藤原は「大樹を演じるのが愛流で本当に良かったです!」「僕と愛流だからこその、虎太郎と大樹の関係性も築けたと思います」と信頼を寄せ、窪塚も「親友役が大祐と聞いたときは、嬉しくてガッツポーズしてしまいました。大祐の唐突に仕掛けてくる芝居が大好きです」と喜びを語った。
「きさらぎ駅」やドラマ「ブラッシュアップライフ」などに出演した瀧は、今日子の親友・谷崎明日香役を担う。明日香を時に優しく、時に力強く支える親友を演じた瀧は、「実は、今回80年代のヤンキー少女 を演じるために昔のヤンキー作品を観て研究しました」と明かし、「人情味溢れる明日香を演じるのはすごく良い時間でした」と振り返った。
映像では、令和と平成、2つの時代を舞台に淡く切ない恋模様が描かれる。1989年、顔も知らないペンフレンドに、大切な想いを1文字1文字に込めながら言葉を綴る今日子と虎太郎。スマートフォンもなければSNSもない時代に“手紙”で距離を縮めていくが、住んでいる場所の違いや今日子の病気など様々な困難が立ちはだかる。そして、2024年。同じ場所でバイトしているが、シフトの違いで会ったことのない丈流と美優。2人を繋ぐのは業務連絡用の“バイトノート”のみ。“言葉のやり取りを交わしていくうちに惹かれ合うものの、あと一歩が踏み出せない2人の姿が描かれる。
オンライン限定ビジュアルには、夕日に染まる海辺を背景に背を向けあう丈流と美優の姿が切り取られ、「恋にスランプはつきもの」というコピーがすれ違いや一筋縄ではいかない展開を予感させる。
「大きな玉ねぎの下で」は2025年2月7日公開。伊東、藤原、窪塚、瀧のコメント全文は以下の通り。
【伊東蒼】
私も大切な人に気持ちを伝えたいときに手紙を書くので、この作品に出演できることを嬉しく思います。撮影前から役に合わせて、昭和の作品をみたり、今日子が恋する気持ちに近づけるように藤原さんの曲を聴いたりしていました。現場では、瀧さんが人見知りしがちな私に沢山話しかけてくれて楽しかったです。好きな人が選んでくれた便箋と封筒、書いた文字、言葉や行間、どれも手紙でしか得られない宝物だと思います。この映画が私たちから、皆さんへの「お手紙」になってくれれば嬉しいです。
【藤原大祐】
台本を読んだ時、まるで小説を読んでいるような、5分の楽曲に込められたストーリーをより深く味わえた気分になりました。僕自身、手紙がすごく好きなので、虎太郎は自分に重なる部分が多く馴染みやすかったです。それに、大樹を演じるのが愛流で本当に良かったです! 共演3回目の僕と愛流だからこその、虎太郎と大樹の関係性も築けたと思います。色んなことが便利になって、つい楽な道を探してしまう現代だからこそ、忘れかけていた大切なことに気づかせてくれる作品です。どこか懐かしさを感じる、人間の温かみに溢れたこの映画をぜひ劇場でご覧ください。
【窪塚愛流】
台本を読んで「文通」の魅力を改めて認識し、今より少し不便だった80年代が逆に羨ましくなり、憧れを抱きました。その時代の回想シーンなので、動きや台詞の言い回しなど工夫を混ぜて演技しています。そして、親友役が大祐と聞いたときは、嬉しくてガッツポーズしてしまいました。大祐の唐突に仕掛けてくる芝居が大好きです。撮影の時は毎日、「大きな玉ねぎの下で」を聴いていました。 みなさんもぜひ楽曲を聴いて、映画の世界観に入り込んでから、映画を楽しんでみて欲しいです。
【瀧七海】
爆風スランプさんの名曲「 大きな玉ねぎの下で」は、家族がいつも歌う慣れ親しんだ曲でしたので出演が決まった時は胸が熱くなりました! 実は、今回80年代のヤンキー少女 を演じるために昔のヤンキー作品を観て研究しました。人情味溢れる明日香を演じるのはすごく良い時間でしたし、親友役の伊東さんとは監督に息がぴったりだと言われるぐらい空気感が合っているかと思います。多くの方に愛されている楽曲が、この作品を通して世代を超えさらにたくさんの人に届きますように。