米俳優キアヌ・リーブスが10月5日(現地時間)、米インディアナ州のインディアナポリス・モーター・スピードウェイで行われたトヨタGRカップでプロレーサーとしてデビューを飾った。
「マトリックス」シリーズで知られるリーブスは、35台中31位からスタート。レース中盤には21位まで順位を上げる健闘を見せたが、9コーナー出口で制御を失い、芝生エリアへとスピンしてコースアウト。幸い衝突は避けられ、マシンにダメージはなかったため、すぐにコースに復帰し、最終的に25位でチェッカーフラッグを受けた。
リーブスが参戦したトヨタGRカップは、同一仕様のトヨタGR86レーシングカーによるワンメイクレース。今回のレースは、インディ8時間耐久レースの支援レースとして開催された。
舞台となったインディアナポリス・モーター・スピードウェイは、1909年に開設された世界最古のレース専用コース。全長2.5マイル(約4キロ)の長方形に近いオーバルトラックが特徴で、4つのターンには最大9度の傾斜が付けられている。リーブスがスピンしたのは、この傾斜が影響する難所のひとつだった。
「ブリックヤード」の愛称で知られる同コースは、かつて全面がレンガ敷きだったことに由来する。現在は大部分がアスファルト舗装されているが、スタート/フィニッシュラインの1ヤード(約90センチ)だけは歴史的遺産として煉瓦敷きが残されている。
リーブスにとってプロレースは初挑戦だが、レース経験は皆無ではない。2009年にはロングビーチで行われたトヨタ・グランプリのセレブリティレースで優勝した実績を持つ。
「明日(10月6日)も同じコースでレースがあります。今日の経験を活かして、もっと上位を目指したいですね」とリーブスは次戦への意欲を語った。
俳優業の傍ら、自身のグラフィックノベル「BRZRKR」のプロモーションも兼ねて今回のレース参戦を決めたリーブス。「レースと演技、どちらも集中力と瞬時の判断が求められる点で共通していますね。この経験を演技にも活かせると思います」