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「シビル・ウォー アメリカ最後の日」キルステン・ダンストインタビュー “恐怖の赤メガネ男”演じた夫、ジェシー・プレモンスにも言及

映画.com 2024年10月10日 9時0分

 A24史上最高のオープニング記録を樹立、更に興行収入ランキングで2週連続1位を獲得した映画「シビル・ウォー アメリカ最後の日」。日本では10月4日に公開され、メジャー作品以外の洋画実写作品であるが、週末動員ランキングで初登場1位と注目を集めている。このほど、ベテランカメラマンのリー・スミスを演じたキルステン・ダンストのインタビューを映画.comが入手した。

 映画の舞台は、連邦政府から19もの州が離脱したアメリカ。テキサスとカリフォルニアの同盟からなる“西部勢力”と政府軍の間で内戦が勃発し、各地で激しい武力衝突が繰り広げられていた。就任 “3期目”に突入した権威主義的な大統領はテレビ演説で力強く訴えるが、ワシントンD.C.の陥落は目前に迫っていた。ニューヨークに滞在していた4人のジャーナリストは、14ヶ月一度も取材を受けていないという大統領に単独インタビューを行うため、ホワイトハウスへと向かう。だが戦場と化した旅路を行く中で、内戦の恐怖と狂気に呑み込まれていく――。

 ダンストが演じたリー・スミスは、4人のジャーナリストチームの内の1人、戦場で幾度も死線を超えてきたベテランカメラマンという役どころ。本作の撮影に入る前にアレックス・ガーランド監督から紹介され、参考にしたのは「『メリー・コルヴィンの瞳(Under the Wire)』」と「炎628(Come and See)」」だと言う。前者はレバノン内戦や第一次湾岸戦争、チェ・チェン紛争など、世界に戦争の真実を伝えるために危険な取材を重ね、2012年にシリアで殉職したメリー・コルヴィンの半生を描いたドキュメンタリーであり、後者は第二次世界大戦を舞台に、少年がドイツ軍のアインザッツグルッペンによる虐殺を目の当たりにする様子を描き、いずれの戦争の悲惨さを抉り出した作品だが「これら作品を観て、リハーサルを重ねたことが心に残っている」と述べた。

 リアルな戦場描写が話題の本作だが、撮影現場でも常に銃声が鳴り響いていたと言う。「この作品は時系列順に撮影したから(クライマックスを撮影していた)最後の2週間は特に凄まじい銃声が鳴り響いていた」と明かす。「通常、空砲の火薬量は半分なんだけど、監督は今回その倍の量を使ったから、すごい音だった」「監督は可能な限りリアルな環境に作ろうとしていたの。実際に戦争を経験した人々の話を聞いて、動きを綿密に決めていたから、その状況に没入することができた」といい、「緊迫していたけど、それを演技に活かすことができました」と感謝する。

 共演陣たちについては、「プリシラ」「エイリアン ロムルス」など、話題作への出演が続き、スミスを追いかけるような駆け出しカメラマン・ジェシーを演じたケイリー・スピーニーと「すぐに意気投合した」そうで、「演技へのアプローチが私たちはとても似ているんです。だから何の苦労もなく、楽に演技ができたし、楽しむこともできた」「現場では妹のような存在だった」と笑顔を見せる。

 「お前は、どの種類のアメリカ人だ?」というセリフで、公開直後に日本のSNSでも話題を集めた、恐怖の赤メガネ男を演じたのは、ダンストの夫でもある、ジェシー・プレモンスだ。プレモンスのキャスティングについては、実は、元々演じる予定だったキャストが急遽降板、困り果てた監督がダンストに相談したことで実現した偶然の賜物だった。「ジェシー(・プレモンス)が(ロケ地の)アトランタで子供の世話をしていたから、“すぐそばにいい俳優がいるわよ”と監督に伝え、彼と監督を引き合わせた。あれはリハーサルの時だった」と奇跡のキャスティングの裏側を明かす。そして「あのシーンは本当に残酷だった。誰もあのような役は決して演じたくないし、2日間続けてあのような光景を目にしているのもつらかった。人種差別的で、気分が悪くなるし、本当にひどく恐ろしいシーン」だと振り返る。

 これから本作を見る日本の観客には「とても誇りに思っている作品だから、日本の皆さんにはドキドキハラハラして、恐ろしさも感じてほしい」「いろんな意味で規模の大きい作品だと思う」「とにかく楽しんで、様々なことを感じて、感じたことを友人に伝え、その会話が議論に発展してくれたらうれしい。観たあとに誰かと話したくなるような映画」とメッセージを送った。

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