「わたしはロランス」「Mommy マミー」のグザビエ・ドラン監督が、仏リュミエール映画祭で新作映画を準備していることを明かした。
2022年にドラマシリーズ「ロリエ・ゴドローと、あの夜のこと」を手がけたドラン監督は、23年に引退をほのめかし、長編映画は19年の「マティアス&マキシム」が最後となっていた。しかし、このほど米Deadlineのインタビューに応じたドラン監督によると、来年に新作映画の撮影に入る予定とのこと。新作について「ジャンル映画になることは間違いない。ホラー映画か? そう言い切るのは早計かもしれない。コメディ要素がたくさん含まれた脚本なんだ。確かにホラー的な場面はあるけれど、むしろいろんなジャンルが混じり合っている」と語った。
また、ドラン監督は「これは僕の第2章、スピードを落としてほとんど止まってしまった僕のキャリアの後半戦だ。もう以前のようなペースで作り続けることはできないとわかっている。今より若かったし、今の僕とは違ったから」と打ち明けた。
カナダ・ケベック州出身のドラン監督は、19歳で発表した長編デビュー作「マイ・マザー」(2009)がカンヌ国際映画祭監督週間で上映されて以来、「胸騒ぎの恋人」「わたしはロランス」も同映画祭で上映され、「Mommy マミー」で審査員賞、「たかが世界の終わり」でグランプリを受賞するなど高い評価を受けた。ドラン監督が語った約6年ぶりとなる新作映画は、19世紀のフランスを舞台にした、現在のドラン監督にとってもっともパーソナルな物語になると言われている。