アカデミー賞授賞式の会場として知られるドルビー・シアターが、新たな所有者のもとに移ることが明らかになったと、米バラエティが報じている。映画プロデューサーのイーライ・サマハ氏率いるジェブズ・ハリウッド・エンターテイメントが買収を完了したと、米不動産仲介会社アビソン・ヤングが発表した。
ドルビー・シアターに関しては、多くの人がアカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミー(AMPAS)が所有していると思っているが、実際は違う。当初、不動産開発会社のTrizecHahnが所有し、2012年にCIM Groupが買収。AMPASは長期賃貸契約を結び、アカデミー賞の会場として使用してきた。
売却価格は公表されていないが、米不動産メディア「The Real Deal」の報道によると、約5000万ドル(約75億円)とされている。3400席を有するこの劇場は、ハリウッド・ハイランド・センター内に位置し、2001年の開業以来、エンターテイメント業界の中心的存在として君臨してきた。
ジェブズ・ハリウッド・エンターテイメントは、ドルビー・シアターに隣接するTCLチャイニーズ・シアターも所有しており、今回の買収によりハリウッドの中心地での存在感をさらに強化することになる。サマハ氏は長年にわたりハリウッドのエンターテイメント、飲食、ナイトライフ関連の施設に投資してきた実績を持つ。
ジェブズ・ハリウッド・エンターテイメントはアカデミー賞会場として伝統を継続する意向を示している。映画芸術科学アカデミーとの関係を維持しつつ、ライブ会場としてのポテンシャルを最大限に活用する計画だ。具体的には、有名なラテン系アーティストや他の国際的な出演者を招聘し、ライブパフォーマンスの数と種類を大幅に増やすことを目指しているという。