第77回カンヌ国際映画祭最高賞のパルムドールを受賞した、ショーン・ベイカー監督最新作「ANORA アノーラ」が2025年2月28日に公開される。
監督は、「タンジェリン」(15)、「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」(17)、カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品作「レッド・ロケット」(21)と、アメリカの性産業従事者やマイノリティをユーモアを交えて描き、世界中で称賛を浴びてきたショーン・ベイカー。本作でもNYを舞台に、ロシア系アメリカ人ストリップダンサーの女性主人公のジェットコースターのようなロマンスと騒動を時にユーモラスに、そして真摯に描く。
NYでストリップダンサーとして働くアノーラ(マイキー・マディソン)は、ある日ロシアの新興財閥の息子、イヴァン(マーク・エイデルシュテイン)と出会う。“契約彼女”から始まった二人は瞬く間に結婚、幸せの絶頂へ。しかし息子の結婚に反対するイヴァンの両親がNYへ乗り込んできて大騒動へと発展する、という物語。
主演はクエンティン・タランティーノ監督「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」(19)で短い出演時間ながら強烈な印象を残したマイキー・マディソン。本作では単に主人公のアノーラを演じるだけでなく、脚本の段階からすべてコミットしていたという。監督と主演、二人の絶対的な信頼の上で撮影された本作は、これまでのベイカー監督作の中でも飛びぬけたエンターテインメント性と人間愛にあふれた作品になっている。
今年のカンヌ国際映画祭の審査員長だったグレタ・ガーウィグは本作を「真実味がありつつも予想だにしない作品。(エルンスト・)ルビッチやハワード・ホークスのようなクラシックな映画の構造を思い起こさせた」と評する。
また、アメリカのレビューサイトRotten Tomatoesでは、批評家たちから99%の高評価を獲得しており(10月22日現在)、「監督史上最高傑作!この感動を味わってほしい!」(IGN)、「笑いすぎて高血圧の人はご注意を!」(BBC.com)、「スクリーンを独り占めするマディソンの演技が素晴らしい」(Guardian)と、監督、並びに主演のマディソンへの称賛が相次いでおり、また、Variety誌は「『プリティ・ウーマン』がディズニー映画のように見えてくる」、と、一見シンデレラストーリーのように見えつつも、ビターな現実もあわせて描かれる本作へ賛辞を贈る。
また、本作は10月18日からアメリカで6館で先行公開され、週末(10月18~20日)の3日間で550,503ドル(約8257万円)を記録、1館あたりの平均興行収入は91,750ドル(約1376万円)に達した。この館アベレージは2024年これまで公開されたすべての作品の中で第1位となった(10/22 Box Office Mojo調べ ※1ドル=150円換算)。
2025年2月28日から新宿ピカデリー TOHOシネマズ シャンテほか全国公開。