第81回ベネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞した、ペドロ・アルモドバル監督初の長編英語作品「ザ・ルーム・ネクスト・ドア(原題)」が、「ザ・ルーム・ネクスト・ドア」の邦題で、2025年1月31日に公開されることがわかった。ティルダ・スウィントンとジュリアン・ムーアが共演し、病に侵され安楽死を望む女性と、彼女に寄り添う親友のかけがえのない数日間を描く。
第72回アカデミー外国語映画賞に輝いた「オール・アバウト・マイ・マザー」、第75回アカデミー脚本賞を受賞した「トーク・トゥ・ハー」などで知られるアルモドバル監督。本作では、75歳を越え円熟味を増したアルモドバル監督が、独自の感性溢れるカラフルな世界観で、人生最期の数日間をめぐる物語を紡ぐ。
ウェス・アンダーソン監督やジム・ジャームッシュ監督の作品の常連として知られ、「フィクサー(2007)」で第80回アカデミー助演女優賞を獲得したスウィントンが主演を務める。共演は、「アリスのままで」での第87回アカデミー主演女優賞など、世界三大映画祭全ての女優賞を手にしたムーア。ふたりのオスカー女優が親友同士を演じ、繊細で美しい友情を体現する。
重い病に侵されたマーサ(スウィントン)は、かつての親友イングリッド(ムーア)と再会し、会っていない時間を埋めるように、病室で語らう日々を過ごしていた。治療を拒み、自らの意志で安楽死を望むマーサは、人の気配を感じながら最期を迎えたいと願い、“その日”が来る時に隣の部屋にいてほしいとイングリッドに頼む。悩んだ末に彼女の最期に寄り添うことを決めたイングリッドは、マーサが借りた森のなかの小さな家で暮らし始める。そしてマーサは、「ドアを開けて寝るけれど、もしドアが閉まっていたら私はもうこの世にはいない」と告げ、最期の時を迎える短い数日間が始まるのだった。
第81回ベネチア国際映画祭でプレミア上映されると、約20分間の拍手喝采を浴び、金獅子賞の栄冠に輝いた。海外メディアからは、「魂を激しく揺さぶられる」(TIME)、「心の奥に深く刻まれる」(Vanity Fair)、「命の輝きを描く物語」(Deadline)と絶賛され、映画賞レースの注目作品として期待を集めている。
「ザ・ルーム・ネクスト・ドア」は、25年1月31日に公開。