誠実で親しみやすい人柄と名演の数々から、アメリカのパパ(America’s Dad)の愛称で人気を博す名優トム・ハンクス。40年以上のキャリアを持ちながら、今なお第一線で映画界を牽引しつづけるトム・ハンクスの出演作品が、Paramount+で続々と配信中だ。本記事では、配信中、またはこれから配信がスタートする“トム・ハンクス作品”を一挙に紹介する。
●「フォレスト・ガンプ 一期一会」(Paramount+で配信中)
知的発達に遅れがあるものの、純粋で誠実な心を持つフォレスト・ガンプ(演:トム・ハンクス)がアメリカの歴史や文化の中で、偶然や運命に導かれながらも真っ直ぐに生きる姿を描いた物語。
ベトナム戦争やウォーターゲート事件、アップル社の台頭などアメリカの歴史的な出来事に偶然関わる数奇な人生を送る中で、最愛のジェニーと出会い無条件の愛を育む姿は今なお世界中を感動させ、劇中の「人生はチョコレートの箱のようなものだ、開けてみるまで分からない」という台詞は映画史に残る名シーンとして語り継がれている。
自然体で飾らないハンクスの演技は世界中で評価され、前年の「フィラデルフィア」に続き、2年連続アカデミー賞主演男優賞受賞という快挙を成し遂げた。多くの映画ファンが“一度は観るべき作品”に挙げる名作だ。
●「プライベート・ライアン」(Paramount+で配信中)
第二次世界大戦のノルマンディー上陸作戦を舞台に、キャプテン・ジョン・ミラー(演:トム・ハンクス)率いるアメリカ軍レンジャー部隊がジェームズ・フランシス・ライアン二等兵(演:マット・デイモン)の救出ミッションに挑む物語。
「JAWS ジョーズ」や「ジュラシック・パーク」で知られるスティーブン・スピルバーグが手掛ける本作は、弾丸が飛び交う混沌とした戦場をドキュメンタリー作品のように描写し、戦争の恐怖と混乱をリアルに描き、第71回アカデミー賞では11部門にノミネート。仲間を失いながらも進んでいくキャプテン・ミラーを演じたハンクスは戦争の残酷さ、命の価値、過酷な現実を観客に突きつける人間味溢れる芝居で同賞の主演男優賞に4度目のノミネートを果たした。
●「キャスト・アウェイ」(Paramount+にて11月22日配信予定)
多忙な生活を送るビジネスマンのチャック・ノーランド(演:トム・ハンクス)が飛行機事故によって無人島に漂着し、極限の孤独と戦いながら生き抜く姿を描いたサバイバルドラマ。
水や食料がほとんどない無人島で、チャックは自力で火を起こし、魚を捕まえ、自然の中で生きる術を模索していく。過酷な無人島での生活で次第に精神的にも追い詰められていくが、島に流れ着いたバレーボールに顔を描き「ウィルソン」と名付けて擬似的な友人として会話することで孤独な生活を乗り越えていく。
本作のほとんどがハンクス一人の演技で進行。チャックの孤独や絶望、葛藤をリアルに感じさせるハンクスの演技が評価され、自身4度目となるゴールデングローブ賞主演男優賞を獲得した。
●「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」(Paramount+で配信中)
1960年代のアメリカを舞台に、わずか16歳で詐欺の世界に飛び込んだ実在の詐欺師フランク・アバグネイル(演:レオナルド・ディカプリオ)の半生を基にした物語。
フランクは偽のパイロット、医者、弁護士などに成りすまし、次々と大胆な詐欺を行いながらFBI捜査官カール・ハンラティ(演:トム・ハンクス)に追われる人生を歩む中で、家族との関係や自分自身の居場所を探す深い人間ドラマが描かれる。
フランクのカリスマ性と脆さを表現するディカプリオと、職務に忠実でありながらも人間味を感じさせるキャラクターを見事に演じるハンクスの間で繰り広げられる軽快なテンポとユーモア溢れるやり取りが最大の見どころだ。
●「ターミナル」(Paramount+にて11月15日配信予定)
ニューヨークJFK国際空港に降り立った東欧のクラコウジア人、ビクター・ナボルスキー(演:トム・ハンクス)の物語。
突然発生したクーデターによって祖国が事実上消滅し、パスポートも無効になってしまったため帰国することもアメリカに入国することも禁止されてしまったビクターは、言葉も通じない空港ターミナルでの生活を始める中で空港のスタッフや旅行者たちと出会い友情を築いていく。
文化の壁を越えて友情を育むビクターの可愛らしいキャラクターと逆境に負けずに前向きに生きる姿は多くの観客に感動を与える一方、空港での最低限の生活を確保するために不器用ながらも奮闘する姿もコミカルに描かれ、笑いあり涙ありの名作として今なお愛され続けている。