ドウェイン・ジョンソン(「ワイルド・スピード」シリーズ、「ブラックアダム」)が主演し、クリス・エバンス(「アベンジャーズ」シリーズ)が共演する「レッド・ワン」(公開中)。同作は、何者かに誘拐されたサンタクロースを救うため、心優しいマッチョなサンタ護衛隊長と、サンタの存在を信じない賞金稼ぎが手を組み、世界をまたにかけて奮闘する姿を描いている。
コードネーム「レッド・ワン」こと“マッチョ”なサンタクロースを演じているのは、「セッション」「愛すべき夫妻の秘密」のJ・K・シモンズ。サンタを公私ともに支えるミセスクロースに、「ベートーベン」「ジュマンジ」のボニー・ハントが扮している。
映画.comは、そんな2人にオンラインインタビューを敢行。撮影秘話を語ってもらった。
●“マッチョ”なサンタ、どう役作りをした?
――笑いあり、涙あり、そしてアクションも筋肉もありと、とにかく設定が斬新なクリスマス映画だと思います。J・K・シモンズさんは、マッチョなサンタ役ですが、役作りでこだわった点を教えてください。
J・K・シモンズ(以下:シモンズ):脚本を読んで、まず気付かないわけにはいかなかったことの1つは、27ページ目に自分のキャラクターがロック(ドウェイン・ジョンソン)と一緒にジムにいるシーンがあることだった。だから、野菜の摂取や、ジム通いを心がけた。基本的にやったのはそういうことだったね。それから、ヒゲを剃らないことも。それがこの映画のための準備だったよ。
――ボニー・ハントさんは、サンタの妻役として物語を支えています。役作りでこだわった点は? この物語のどこに大きな魅力を感じましたか?
ボニー・ハント(以下:ハント):J・Kとは正反対だった。ミセスクロース役だと言われたとき、「あら、体重を気にしなくていいんだわ」と思ったの。大きな赤い革のスーツを着て……。いや、赤いベルベットのスーツに大きなパテントレザーのベルトをして、首には毛皮を巻いて、なんてね。だから、私はただ……。
シモンズ:クッキーをたくさん食べたんだろ?
ハント:そう、大口を開け、何でもかんでも全部食べてやろうと思った(笑)。そして、現場入りしてみると、追加されたシーンがあった。それは最初に撮影したシーンだったのだけど、ジムでのシーンだったの。そう、でも大丈夫よ。私たちのうち一人は、クリスマスのクッキーを食べなきゃいけなかったからね。
シモンズ:そうだね。
●クリスマスプレゼントを“今”貰うとしたら、何を願う?
――もしもクリスマスプレゼントをサンタからもらえるとしたら、“今”であれば、何を貰いたいですか? 物でも良いですし、才能や技術など“目に見えないもの”でもかまいません。
ハント:癒す力だと思うわ。
シモンズ:そうだね。
ハント:それが良いわよね?
シモンズ:ああ、そうだね。年齢を重ねるにつれて、より強く望まれるものだ。それから、世界平和もね。
ハント:私が癒しの力だと言ったとき、あなたが「世界平和」と言うんじゃないかという気がしたの。でも彼は多分、(平和を意味するpeaceではなく)p-i-e-c-eと綴ると思うわ。
シモンズ:しーっ(内緒だというジェスチャー)。
●ドウェイン・ジョンソン&クリス・エバンスの共演はどうだった?
――ドウェイン・ジョンソン&クリス・エバンスとの共演はいかがでしたか? 俳優として、どのようなところに魅力を感じましたか?
シモンズ:素晴らしい、というのが短い答えだ。ドウェイン・ジョンソンについて好きなのはというと…。クリスとは以前に共演したことがあって、最高に楽しかった。彼はクリス・エバンスだし、ドウェインはあのドウェイン・“ロック”・ジョンソンなんだからね。彼はとても頭が切れ、映画作りに総合的に携わっている。そして本当に知性的で、どんなことでも常に学ぼうとする姿勢を持っている。彼が得意な、「映画スター然とすること」も含めてね。
――何か思い出深いエピソードはありましたか?
シモンズ:いつもジムのシーンの話に戻るんだ(笑)。あれはただ、信じられないほど威圧的だったからね。
ハント:あなたはよく頑張ったわよ。何を言っているの。
シモンズ:まあ、そうだね。ありがとう。褒めてほしいとかじゃないんだがね。
ハント:いや、あなたは自分にとても厳しかったでしょう。肉体的に鍛えた人を見るのは、すごいものよ。
シモンズ:ありがとう。
ハント:鏡の中の自分を見ても、私はそんなんじゃないもの。
シモンズ:いや、最高だ。そして、あれは良いシーンだ。ドウェインとのあのシーンが、映画のトーンを決めて、僕がどんなバージョンの聖ニコラスなのか、このキャラクターの人となりや、どこから来たのか、仕事に対する彼の真摯な姿勢といったことを確立したのだと思う。素晴らしいシーンで、とても楽しんだよ。そして、そこにクリスが加わることで、面白さとクレイジーさがさらに増すんだ。
●クリスマスの思い出は?「年齢を重ねるにつれて、悪いクリスマスでさえも大切になる(笑)」
―一番印象に残っているクリスマスの思い出を教えてください。良い思い出でも悪い思い出でも構いません。
シモンズ:(ボニーに向かって)悪い思い出は? 良くて悪い思い出はあるかい?
ハント: ええと…ないわね。
シモンズ: いい思い出ならあるかも。
ハント おかしなもので、年齢を重ねるにつれて、悪いクリスマスでさえも大切にするようになる(笑)。でも、我が家のパーティではいつもそうだけど、「それはどういう意味?」っていうフレーズを誰かが言い出すまでは、すべてが最高なのよね。その後は、どうなるかわかるでしょう?
シモンズ:(爆笑)
ハント: クリスマスはいつも良いもので、毎回楽しいわ。
――そのあとはカオスになるんですね。
シモンズ:そうだ。
ハント:あなたはどう? お子さんがいるでしょう。
シモンズ 子どもの頃は素晴らしいクリスマスだった。自分が親となった今では、というと……。実は、13歳のときにエレキギターが欲しいとずっとせがんでいて、(プレゼントが置かれていないか)こそこそ見に行った記憶が鮮明に残っているんだ。煙突から下りてくる男というのが、ちょっと心許なくてね。何歳ごろのことだったか定かではないが、仮に11歳だとしよう。両親が何か別のことをしているときに、僕は家の中をこそこそと歩き回り、すべてのクローゼットを覗いて回った。子どもがよくやるように、サプライズを台無しにしようとしたんだ。結局それには成功したんだけど、そんなことやらなきゃよかったと思ったものだ。
ハント:そうなのね。
シモンズ:そして、いよいよその時が来たら、「ハハハ!」ってから笑いした。驚いてみせる演技が下手だったんだ。それ以来、俳優として、少しは向上したと思いたいね。
●「レッド・ワン」で“大好き”なところは?
――本作で最も好きなポイントを教えてください。内容面でも良いですし、ビジュアル、演出などでもかまいせん。
ハント:この映画で一番エキサイティングなことは……。
シモンズ:ミセスクロース。個人的にお気に入りなんだ。
ハント:そのままそっくりお返しするわ。
――神話の登場人物の中で、スクリーンで見るのが好きなキャラクターはいましたか?
ハント: ホッキョクグマはかなりクールよね。
シモンズ: そう、ガルシアだね。
ハント: そう、ガルシアよ。
シモンズ:ガルシアの大ファンなんだ。本作のようなCGのキャラクターが登場する映画を作るときは、いつもグリップスタンドにテニスボールが付いたものに向かって演技するんだが、その後、実際に出来上がったものを見て、「ああ、こういうことか。いいね」と思うんだ。
ハント: そうね。それを見ることができるという体験は楽しいもので、クリエイティブな人たちが何かに命を吹き込む作業はチームワークなの。最高よ。
シモンズ: そう、僕らの撮影が終わった後1年間の、彼らのハードワークのおかげだ。
ハント:私たちが終わってからね。
シモンズ:僕らがリラックスしている間、彼らがマジックを作っているんだ。