「人を観るよろこび 市川準監督特集」が、11月24日から30日まで東京の目黒シネマで開催される。
犬童一心監督の企画で2014年にスタートした市川準監督特集は、今年で第11回を迎える。上映作品は、劇場用映画第一回作品「BU・SU」、牧瀬里穂と真田広之共演の「つぐみ」、小川美潮のアルバムのPV「4 to 3 pictures」、モントリオール世界映画祭最優秀監督賞受賞作品「東京夜曲」、役所広司と真田広之が共演した異色作「たどんとちくわ」、公開以来約30年ぶりの上映となる「クレープ」、そして名作「トキワ荘の青春」のデジタルリマスター版の計7本。
トークイベントは豪華ゲストを迎えて開催。25日は「たどんとちくわ」の安部聡子。安部は市川監督の映画に多数出演、CMにも出ている、市川監督に愛された俳優のひとり。「SHOGUN 将軍」で話題の真田が市川監督の2本の映画で演技の新境地を見せており、役所と共演という今となっては贅沢な顔合わせとなった、R指定のブラックコメディ「たどんとちくわ」も必見です。
27日は「東京夜曲」の長塚京三。12年ぶりの映画主演作「敵」で、11月6日に閉幕した第37回東京国際映画祭の最優秀男優賞を受賞(グランプリ、最優秀監督賞とあわせて3冠)したばかり。犬童監督は「団塊の世代の苦渋を、市川監督が自分ごととして描き、長塚さんに自分を託しているような作品」と評している。
そして、30日は「4 to 3 pictures」の小川美潮。劇場で見られることがほとんどない、市川監督の名作の一つ。小川は「つぐみ」で主題歌「おかしな午後」を歌っている。
トークイベントは犬童監督、映画評論家の尾形敏朗氏との対談形式で行われ、ゲストによるエピソードトークから、市川監督を多角的に知ることができる貴重な機会となる。タイムスケジュールは目黒シネマ公式サイト(http://www.okura-movie.co.jp/meguro_cinema/now_showing.html)にて近日掲載。
2008年に59歳で急逝した市川監督は生前、「テクニックが消え、『人を観た』という記憶だけが鮮烈に残る。そういう映画が好きだ。『役者』の『生理そのもの』を見つめること。役者には恐怖だが、観客にとってはこれほど興奮できることはない」と述べている。