A24とAppleが仮想通貨取引所FTX創業者サム・バンクマン=フリードの劇的な転落を描く映画の企画に着手したと、米バラエティが報じている。ノンフィクション作家マイケル・ルイスによる「Going Infinite: The Rise and Fall of a New Tycoon(原題)」が原作となる。
映画はA24とApple Studiosが共同で開発・製作を手がけ、脚本は人気ドラマ「GIRLS ガールズ」の企画・制作総指揮として知られるレナ・ダナムが執筆する。ダナムは近年「少女バーディ 大人への階段」や「アイム・スティル・ア・バージン」といった映画作品の監督も手がけており、実力派クリエイターとして評価を高めている。
「Going Infinite: The Rise and Fall of a New Tycoon(原題)」は2023年10月に発売され、米ニューヨーク・タイムズのベストセラーリストに名を連ねた。同書は、史上最年少で億万長者となり、仮想通貨界の風雲児として知られたバンクマン=フリードの急激な台頭と破滅的な転落を描いている。
ルイスの著作は、ブラッド・ピット主演の「マネー・ボール」やクリスチャン・ベール主演の「マネー・ショート 華麗なる大逆転」など映画化されてきた。
今年3月、ニューヨーク州南部地区連邦地裁は、バンクマン=フリードに禁錮25年の判決を言い渡した。米司法省が「史上最大の金融詐欺のひとつ」と表現したこの事件で、裁判所は110億ドル(約1兆6600億円)に相当する資産没収も命じている。
2022年11月に経営破綻したFTXでは、顧客の資金が系列会社に流用され、高リスク取引や投機的な賭け、債務返済、個人的な融資、政治献金のほか、バハマでの贅沢な生活に使用されていたことが明らかになった。かつて320億ドル(約4兆8600億円)の資産を築き上げ、「次のウォーレン・バフェット」とも呼ばれたバンクマン=フリードの転落を、映画はどのように描き出すのか注目が集まっている。