横浜流星と藤井道人監督が再タッグを組んだ「正体」の新場面写真が、このほど公開された。森本慎太郎をとらえた場面写真となっており、撮影エピソードも披露されている。
本作は、染井為人氏による同名小説(光文社文庫刊)を映画化するもの。横浜は、日本中を震撼させた殺人事件の容疑者として逮捕され、死刑判決を受けるも脱走する、指名手配犯の鏑木慶一を演じる。姿を変えながら、日本各地で潜伏して逃亡を続ける鏑木と出会うメインキャラクターを、吉岡里帆、森本、山田杏奈が演じ、鏑木を追う刑事役で山田孝之が出演。間一髪の逃走を繰り返す鏑木の343日間が描かれる。
藤井監督がドラマ「だが、情熱はある」(2023)の山里亮太役のハマりっぷりに感嘆し、本作にオファーされた森本。本作で演じるのは、日本各地で逃亡を続ける鏑木が大阪に潜伏中に出会い、やがて友人となる野々村和也。場面写真は、大阪の工事現場で日雇い労働者として働く和也が職場の宿舎の浴場で鏑木と出会い、知り合っで間もない鏑木を見つめるカット。そして、鏑木と友人になるがその後姿を消した指名手配犯鏑木についてテレビのインタビューを受けるカットの2点となっている。
初の藤井組参戦となった本作では、天性の明るさと本人のひた向きな努力によって演じた和也に人間味と親しみやすさを持ち込み、俳優として新たな一面を見せている。夏編の撮影となった大阪での撮影について「大阪にいる期間はマジで不安でした!」と当時の心境を語る。
森本「みなさん『和也推しだよ』とか『和也のあのシーンマジでよかったよ』って言ってくれるけど、俺の不安が隠しきれなくてみんながフォローしてくれているんじゃないかと思っていたから、正直不安だったけど藤井監督の演出やアドバイスが僕は好きだったから、楽しみでもありました」
さらに「藤井監督が毎シーン気持ちや言い回し、表情だったりいろんなことを教えてくれて、和也という人間のパーソナルな部分を一緒に作ってくれたというのがあって。自分自身の不安が和也の人に対する接し方とか自分の置かれている現状みたいものに重なっていた気がして、そういうところも藤井監督がうまく表現してくれたのかなと思います。本当に難しかったし本当に大変だったけどめちゃくちゃいい経験でした。すごく充実していました」と振り返る。
また森本について、横浜も「森本くんは持ち前の明るさで現場の雰囲気をよくしてくれたし、和也と向き合って必死に食らいついていく姿を見て、昔は自分がそこにいたので昔の自分を見ているような感覚もあったし、鏑木と同じような感情を抱くことができました」と語っている。
森本が「藤井組に参加して得た経験が今後の役者人生にたくさん影響していくだろうなと思います」と手応えを口にしている通り、真摯に和也役に向き合った森本により、逃亡を続ける鏑木を“信じる”一人として、観る人の心を掴むキャラクターが完成したのだ。
「正体」は、11月29日から全国公開。