MEGUMIが11月30日、都内で行われた映画「ワンダー 君は太陽」の再上映記念トークショーに登壇。母として、俳優として、一人の女性として、さまざまな視点から両作の魅力について語った。
本作は、先天性疾患を抱え、顔にはたくさんの手術跡が残る10歳の少年オギー(ジェイコブ・トレンブレイ)と家族の姿に心打たれる珠玉のヒューマンドラマ。なお、12月6日からは、本作に登場する劇中のいじめっ子・ジュリアンに焦点を当てて描いたアナザーストーリー「ホワイトバード はじまりのワンダー」が公開される。
2018年に「ワンダー 君は太陽」が日本で公開された際、周囲の勧めもあって劇場に足を運んで観たというMEGUMI。「当時、小学6年生の息子を持つ母として、それなりに子育てに悩んでもいたし、赤ちゃんの頃とは育て方を少し変えなくてはいけないフェーズでした。彼の人間関係が見えたり、見えなかったりするという恐怖心も少しありました。映画を観て、この家族のように彼を信頼して、母として社会に出すというのが、子育ての一番の大きな目的なんだと気づかされました」と振り返る。
息子は現在15歳になり、「また難しい時期になっちゃったので(苦笑)、(今回のトークショーのために)もう1回観て、また母として感じ方が変わったのもありましたし、今は40代になって、前回とはまた違った感覚を持っているところもありました。『あぁ、やっぱり強い人って優しいよね』と思ったり、自分もいまは現場で(年齢が)一番上だったりもするので、正しいことを言うだけではなく優しさに包んで、相手を見てきちんと伝えるということが、一番大きな強さなんだなということを感じました」と感慨深げに感想を口にした。
ひと足先に「ホワイトバード はじまりのワンダー」も鑑賞したMEGUMIは「素晴らしいです!」と大絶賛。特に、映画の中でジュリアンに過ちを気づかせるのが、ジュリアンのおばあちゃんであることに触れ「親の言うことって素直に聞けなかったりするし、親って感情的になったり、過去を含めて息子のことを全部わかっているからこそ、伝えきれないところがある。そこで少し距離があって、愛もあって、ジュリアンのことをちゃんと知っている彼女だからこそ言えた――この距離感も素敵だし、本当にストーリーが壮大で、こうやってこういう伝え方でいじめを止めるって新しいアプローチだなと思いました」と同作の魅力を熱く語った。
さらに「究極の時――人が人に刃を向けたくなるような瞬間、弱くなったりする時に、優しくいるということが、こんなに人を変え、人を照らすことなんだと改めて感じたし、『こういなくちゃいけない』と強く、強く浴びた感じがしました。本当に素晴らしい脚本で、めちゃめちゃ泣けます。人生では、自分が良いと思っている人に理不尽なことをされる瞬間もあるし、逆に少し苦手だと思っていた人が、ひょんなことで自分に何かを与えてくれたりすることもある。そういうところを素敵に描いていて、人生の指針になる作品です」と強調した。
また、“出会い”によって救われた経験があるかという質問に「私は、ないものを立ち上げることが好きで、グラビアやタレントをやった後に『私は女優になる!』と女優になったり、『プロデューサーをやる』とか『お店をつくる!』とかないものを作る、ゼロから1を作るタイプなんですけど、そういう人って基本、叩かれるんですよ」と否定された経験を告白。
続けて、「自分の声が届かない瞬間が、立ち上げの時ってあるんですけど、そんな風にみんなに否定されている時に『めちゃくちゃいいじゃん!』『面白そうじゃん!』と言ってくれる人も必ず一人くらいいるんです。そういう人の言葉のみでその瞬間、やれたりするんです。日本って新しいものを否定する、“新しいこと=悪”みたいな部分があって、立ち上げる人間としてはちょっとしんどいんですよね。その瞬間に賛同してくれたことは一生忘れないし、手を差し伸べてくれた人には『何かあったら絶対に助ける』と思っているし、自分は立ち上げる人を見たら、必ずサポートすると決めています」と話していた。
「ワンダー 君は太陽」は12月5日まで再上映中。「ホワイトバード はじまりのワンダー」は12月6日から公開。