イザベル・ユペールが主演し、日本で撮影された映画「不思議の国のシドニ」の本編映像、場面写真が公開された。
夫を亡くし、喪失感を抱えるフランスの女性作家シド二が、日本人編集者の溝口とともに日本各地を旅する中で、さまざまな未知の経験を経ながら、新たな人生の一歩を踏み出していく姿を軽やかにつづった人間ドラマだ。寡黙な溝口に案内され、日本の読者と対話しながら、桜の季節に京都、奈良、直島へと旅をするシド二。そんな彼女の前に、亡くなった夫アントワーヌの幽霊が現れる。
シドニをユペール、シド二と全編フランス語で会話し、深い喪失を共有する編集者の溝口健三役には、国際派俳優の伊原剛志。そしてシドニの最愛の夫アントワーヌの幽霊役をアウグスト・ディールが演じた。
元々まったくフランス語を話せなかった伊原は、撮影準備期間に猛特訓を重ね、エリーズ・ジラール監督とのオンラインディスカッションも実施し、シド二と心を通わせる“溝口謙三”を作り上げた。そんな伊原の演技をイザベル・ユペールは大絶賛。「本当に彼の仕事は唯一無二のことで、私にフランス人俳優として日本語で演技をしなさいと言われても、私は多分できませんね。本当に素晴らしいお仕事をしてくださいました。この役は伊原剛志さんしかできないと思っていますし、彼の素晴らしい成果なくしてこの映画は成り立たないと思っています」とコメントしている。
公開された本編映像では、奈良の東大寺、京都の法然院が映し出されるなか、伊原がフランス語でユペールと会話を繰り広げる模様が確認できる。12月13日からシネスイッチ銀座ほか全国順次公開。