見世物小屋が出る新宿・花園神社の酉の市直後の2012年に上映され、異例の口コミで大ヒットしたドキュメンタリー映画「ニッポンの、みせものやさん」が、2025年の「昭和100年」を記念し、12月28日から新宿K’s cinemaでアンコール上映される。
昭和に一世風靡し、へび女、人間ポンプ、タコ娘、ロクロ首、オートバイサーカス……最盛期には数百軒を数えたという見世物小屋の最後の一軒と言われる大寅興行社を、奥谷洋一郎監督が北海道から九州、日本を縦断するなかで見つめる。一座の暮らしと人情、そして10年にわたる交流から滲み出る、一瞬の人生の輝きを映し出したドキュメンタリーだ。
平成、令和と時代は過ぎても、誰もが懐かしさと親しみを感じる「昭和」という時代を映した本作だが、見世物小屋を懐かしむ年配の観客のみならず、怖いけどちょっと見世物小屋をのぞいてみたいという高校生まで、幅広い年代の観客を集め、映画に登場する大寅興行社も健在で、見世物小屋の興行を続けている。今年のアンコール上映の初日、12月28日には奥谷洋一郎監督のティーチインも開催される。
配信・DVD化の予定はなく、映画館でしか見ることができないため、今回のアンコール上映は貴重な機会となるだろう。12月28日~1月3日新宿K’s cinemaにてモーニングショー。