「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」が大ヒット公開中だ。24年ぶりの続編となる本作では、前作の主人公マキシマス(ラッセル・クロウ)の息子ルシアス(ポール・メスカル)が主人公となり、ローマ帝国への復讐と民主主義の回復を目指す物語が展開される。デンゼル・ワシントン、ペドロ・パスカルらが共演、リドリー・スコット監督が前作に続いてメガホンをとっている。
しかし、18年前にはまったく異なる続編が構想されていたことを、スコット監督が米ピープルで明かした。
「ラッセルと企画について話し合っていた時、私は『でも、おまえは死んでいるだろ』と言い続けた。すると彼は『死んでいるのは分かってる。だから死後、生き返りたいんだ』と答えたんだ」
当時、クロウはミュージシャンのニック・ケイブに続編の脚本執筆を依頼。その内容は壮大なものだった。主人公マキシマスがローマの神々が住む煉獄で目覚め、別の神への復讐を命じられる。さらに物語は十字軍、世界大戦、ベトナム戦争など、複数の時代を横断する展開が用意されていたという。
一方スコット監督は、「別の戦いに向かい、瀕死の戦士を通じてマキシマスの魂が戻ってくる、というポータルを考えていた」と明かす。しかし、これは新たな俳優の起用が必要となり、続編への出演を望むクロウが「それじゃダメだろう」と却下したことで「うまくいかなかった」と振り返る。
最終的に2018年、現行の続編企画が始動。これについて、クロウは本年初めに「少し居心地が悪い。何も言えないんだ。なにしろ6フィート下(墓のなか)にいるんだからね」と語っている。
なお、スコット監督は早くも第3作への意欲を示しており、「良い足がかりができている」と語っている。ただし、クロウの復活は今後も望めそうにない。