巨匠フランシス・フォード・コッポラ監督が、現代の続編ブームのきっかけを作ったことへの後悔を語った。 長年温めてきた野心作「メガロポリス」を公開したコッポラ監督は、米ワシントン・ポストのインタビューで「ゴッドファーザー PARTII」が続編ブームのきっかけになったとコメント。
「私が映画のタイトルに数字をつける愚か者になってしまった。恥ずかしく思うし、みなさんに謝罪したい」
発端は1974年の「ゴッドファーザー PARTII」の製作時にさかのぼる。72年の第1作が大ヒットを記録した後、パラマウント映画は続編の制作を望んだ。「『コカコーラを作ったんだから、コカコーラを作り続けるべきだ』と言われた」とコッポラは当時を振り返る。
続編の監督を避けるため、コッポラは当時気鋭のマーティン・スコセッシ監督を推薦。しかし、スタジオがこれを拒否すると、コッポラは当時としては法外な100万ドルのギャラを要求。さらに、1944年の「イワン雷帝」と1958年の「イワン雷帝 第二部:貴族の陰謀」にヒントを得て、タイトルに「PARTII」をつけることを主張。パラマウントは「狂った考え」と思いながらも、これを受け入れた。
皮肉なことに、「ゴッドファーザー PARTII」はアカデミー賞6冠に輝き、映画評価サイト「Rotten Tomatoes」でも現在96%という高評価を維持している。
しかし、この「PARTII」という表記は、その後のハリウッド映画界に大きな影響を及ぼすことになる。長年にわたり数多くの続編が製作されてきたが、今年も「デューン 砂の惑星 PART2」や、来年11月公開予定の「ウィキッド ふたりの魔女」の続編「ウィキッド PART2」など、続編作品が次々と製作されている。