世界最大級のポップ・カルチャーの祭典「東京コミックコンベンション2024」(以下、東京コミコン2024)で12月6日、「Paramount+プレゼンツ『サウスパーク』スペシャルトークショー」が開催。個性豊かなキャラクターの吹き替え声優を務めているLiLiCo、金子沙希、須田祐介、佐藤せつじ、川井田夏海らが登壇し、アニメさながら“ギリギリのトーク”で会場を沸かせていた。
「サウスパーク」は、1997年に放送を開始したアニメシリーズ。放映開始以降、テレビシリーズだけでなく映画化、ミュージカル化、グッズ化、ゲーム化もされるなど、人気を博している。コロラド州にある小さな架空の街サウスパークを舞台に、主人公の少年4人と周囲の大人たちが騒動を巻き起こしていく。
可愛らしいキャラクターからは想像できない、人種、性、ドラッグ、階級、国籍、宗教、政治、ポップカルチャーなど、どんな領域でも微塵のコンプライアンスもタブーもなしで切り込む痛烈で大胆な社会風刺や過激な描写がしばしば賛否両論の議論を呼んでいる。「表現の自由」を武器にあらゆる人間を敵に回すと同時に、現代社会が直面する問題を痛快かつユーモラスに描く作品として視聴者から支持されている。
ステージに現れた吹き替え声優たちは、作中のキャラクターのお馴染みの声で挨拶。差別的発言を連発するサウスパーク1の問題児カートマン役を演じるLiLiCoは「アメリカで1997年にタイタニックがヒットした時からずっと面白いまま続いている作品なんです!当時は毎週やっていたので、その週で話題になっている時事問題を早急にエピソードにしているんです。しかも面白いオチをちゃんとつけて!日本でもParamount+で配信が開始されているので大いに期待していただきたいです。でもひょっとしたら観ない方がいいかもしれない…!」と、本作の魅力を語りつつ、視聴注意の“不適切アニメ”であることを観客に向けて念押し。
さらに「私の演じるカートマンについて、皆いじわるなキャラクターって言うけど本当にクレバーな子なんです!でも彼はずっと出ているエピソードと、全然出てこないエピソードがあるんです。でも登場するとずっと喋るんです。だからアフレコ中にセリフを噛んでしまい皆さんに迷惑かけっぱなしですので、できれば皆とは一緒にアフレコしたくないです」と語った。
上着のフードを目深に被った不死身の少年ケニー役の佐藤は「カートマンの声は特徴的で1エピソードを収録するだけで大変だと思いますけど、複数エピソードを収録する時は喉は大丈夫なんですか?」と思わず質問。LiLiCoは「じつはこの『サウスパーク』のせいで声帯の手術をしました。手術して3年くらい経ちますけど、最近は先生と一緒に発声練習をしっかりやるようになったので、もう大丈夫です!」と長年からだを張って「サウスパーク」の歴史を支えていることを明かし、会場は驚きに包まれた。
そして観客の笑い声や驚きの声が響く会場を目の当たりした佐藤は「我々はメディアに沢山出ていくキラキラした声優ではなく、真面目な声優なので緊張しちゃいますね…」と心境を明かすと、LiLiCoは「『サウスパーク』の吹替をやっているような人は真面目な声優ではありません!」と断言。
すると「サウスパーク」内では数少ない純真無垢な子どもバターズ役の川井田は「皆さん“真面目”に『サウスパーク』の声優をやっているんですよ!」と突っ込みを入れる一幕も。イベントの中盤では川井田から「せつじさんも何かアフレコ現場での裏話はないんですか?」と聞かれた佐藤は「この前収録の時に、スタジオに置いてあるコーヒーのカップを先輩声優である落合弘治さんのバッグに落としちゃったんです。『サウスパーク』の台本2冊ともびしょびしょにしてしまいました」とアフレコ現場でのハプニングを明かした。
イベントのラストには、LiLiCoから、来年以降Paramount+にて「サウスパーク」の全シーズンが順次配信開始されることが発表された。そして全てにおいて“平均的アメリカ家庭の子供”スタン役を演じる金子は「『サウスパーク』という作品も、われわれ吹替声優一同も愛していただけるとありがたいです!これからもよろしくお願いします!」とファンに向けてメッセージをおくり、スタンの一番親しい友人カイル役の須田も「これからの『サウスパーク』もどうかお優しい目で見届けて頂けたら嬉しいです!」と語った。
Paramount+では、現在、通常のアニメシリーズに加え、1時間前後のスペシャルエピソードである「サウスパーク 迷い込んだパンダーバース」「サウスパーク アフターコロナ」「サウスパーク 帰ってきたコロナ」「サウスパーク ストリーミング戦争」「サウスパーク ストリーミング戦争2」「サウスパーク 肥満の終焉」などが配信中。