千葉・幕張メッセで開催中の世界最大級のポップ・カルチャーの祭典「東京コミックコンベンション2024」(以下、東京コミコン2024)で12月7日、バットマン誕生85周年を祝う「WE LOVE DC!スペシャル・ステージ&セレブ・ステージ」が行われ、バットマンの世界をテーマにしたドラマ「GOTHAM/ゴッサム」のベン・マッケンジーとモリーナ・バッカリン、バットマンをアニメ化した「ニンジャバットマン」の最新作「ニンジャバットマン対ヤクザリーグ」の山寺宏一、水﨑淳平、高木真司、中島かずき、岡崎能士が出席した。
バットマンは1939年の「ディテクティブ・コミックス」27号で初めて登場して以来、人気を博し、コミック、テレビ番組、アニメ、映画で広く描かれ、世界的に知られるキャラクターとなった。「決意」「勇気」「正義」のシンボルとして多くのファンを魅了している。
「ニンジャバットマン対ヤクザリーグ」でバットマン役を演じる山寺は、「いろいろな作品で、何度かバットマン役をやらせていただいている」と切り出し、「ニンジャバットマンはまた特別。前回は戦国時代に行った。武士やニンジャとも、バットマンの精神や正義感が通じる。今回はヤクザ。任侠道とも通じるものがあるんだという発見があった」と熱を込めた。さらに「こんなに大勢の前でヤクザ、ヤクザと言っていいのか。タイトルに入っているからしょうがない!」と叫び、「ヤクザリーグのメンバーを演じる声優がすごい。その人たちと戦うのは骨が折れました」と共演した大塚明夫や朴ろ美ら豪華声優陣に最敬礼。「今、足の薬指が折れています。ベッドの角にぶつけて、骨折したんです」と突然の告白をしながら、「それとかけて、骨が折れました。おあとがよろしいようで!」と骨折もトークの糧にして会場を笑わせていた。
インパクトあふれるアイデアを詰め込んだ本作だが、中島は「ニンジャの次はヤクザかなと思った。その前にひとつプロットを出したんですが、それがボツになった。どうせボツを食うなら思い切ったものをやろうと思った」ときっかけについて回想。岡崎は「いろいろなステキなヤクザのスタイルが、このアニメで見られます」とニンマリとしながら、「脚本がすばらしくて、ノリノリでデザインした」と刺激を受けながら取り組んだと明かした。
またバットマンの世界をテーマにしたドラマ「GOTHAM/ゴッサム」で主人公のジェームズ・ゴードン役を演じたマッケンジー、レスリー・トンプキンス役を演じたバッカリン、コミコンのアンバサダーを務める斎藤工も登場。バットマンをはじめとするDCコスプレイヤーも続々とステージに上がり、全員でフォトセッションをする一幕もあった。ゴードンを演じる上で大事にしたことについて、マッケンジーは「ゴードンが、どのような子ども時代を過ごしてきたのかを考えることが大事だった。なぜゴッサムという街を愛しているのかを知ることによって、若い時代のゴードンの要素を盛り込むことができると思った」と真摯な役作りを心がけ、バッカリンは「ジョーカーが出てくるエピソードが大好き。キャメロン(・モナハン)がここまでやるのかというくらいのワイルドさ、クレイジーさを表現していた」と共演者の演技に惚れ惚れとしていた。
マッケンジーとバッカリンは、「GOTHAM/ゴッサム」での共演をきっかけに結婚。実生活でも夫婦となった。同作のシーズン5の第9話では彼らが演じるキャラクターが結婚しており、「ドラマの中と実生活の結婚が重なるのは、どういう気持ち?」という質問も上がった。照れ笑いをのぞかせたマッケンジーは、「実は、あのエピソードは私が脚本を書いたんです。レスリーの『Do you love me?』というセリフは、僕が『こう言ってほしいな』と思いながら書いた」と目尻を下げ、バッカリンは「あの言い方、素の私は絶対にしない」と楽しそうに話す。
夫婦円満の秘訣を問われると、「秘密です。20年経ったら、教えます」と口に人差し指を当てながら、いたずらっぽく笑ったバッカリン。マッケンジーは「私たちには3人の子どもがいます。子どもがいることで、幸せな結婚生活を送っています」と子はかすがいだと答えるなど、仲睦まじい様子をたっぷりと披露した2人。今回の来日では、「2人の子どもを連れてきている」という。マッケンジーは「東京は大好きな都市。3回来ていますが、来るたびにどんどん好きになっている。今回は今まででも最高の旅ができている。心の底から日本が好き」、バッカリンも「初めて日本に来ました。すべての瞬間がステキ。国、人、文化、食べ物、すべてが素晴らしい。ここに住みたいくらいです」と愛情を寄せていた。