鈴木亮平と有村架純の共演で、2005年に第133回直木賞を受賞した短編集を映画化する「花まんま」の公開日が25年4月25日に決定し、特報(https://youtu.be/ARc6d4os-4I)とティザービジュアルが披露された。
朱川湊人氏による原作は、兄妹の不思議な体験を描いた物語。表題の「花まんま」とは、子どものままごと遊びで作った“花のお弁当”を意味し、大切なひとへ贈り届けるキーアイテムとなる。監督は、「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」や「そして、バトンは渡された」「九十歳。何がめでたい」などを手掛けた前田哲。
本作の主人公は、両親を早くに亡くし、大阪の下町で暮らす2人きりの兄妹・俊樹とフミ子。兄・俊樹は、死んだ父と交わした「どんなことがあっても妹を守る」という約束を胸に、兄として妹のフミ子を守り続けてきた。妹の結婚が決まり、親代わりの兄としてはやっと肩の荷が下りるはずだったが、妹には兄に話していない秘密があった。大阪下町で生きる熱血漢の兄・俊樹を鈴木、結婚を控える妹・フミ子を有村がそれぞれ演じ、兄妹役として初共演を果たす。
映像は、「兄貴はホンマ、損な役回りやで」という俊樹(鈴木)の口癖から始まる。そして、俊樹におしぼりを投げつけて、関西弁で突っ込みを入れるフミ子(有村)の愛らしい姿や、俊樹と幼馴染の駒子(ファーストサマーウイカ)が笑い合ったり、フミ子が婚約者の太郎(鈴鹿央士)とウエディングドレスを選んだり、多幸感あふれるシーンが映し出されていく。
ベランダから身を乗り出し、フミ子を見送る俊樹の姿もとらえられ、下町の温かさを感じさせる軽快なメロディーが仲睦まじい兄妹のやり取りを盛り立てる。しかし、俊樹がある写真を見つけたことで空気が一転。“知らない人たち”とフミ子がまるで家族のように写った写真とともに、「妹には、秘密があった」という意味深長なテロップが流れる。
「お前は加藤フミ子や、“繁田喜代美”やない!」と諫める俊樹に対し、「私は私や!」と啖呵を切るフミ子。最後は「不思議な記憶を巡る、兄と妹の物語」の言葉で締めくくられ、本編への期待が高まる映像となっている。