竹野内豊が主演する映画「雪風 YUKIKAZE」が、2025年8月に全国公開されることが決定した。竹野内演じる「雪風」の艦長・寺澤一利をとらえたファーストカットと、製作中の本編映像を使用した超特報(https://youtu.be/lR4_1PFzxfs)が披露された。
本作は、太平洋戦争の渦中から戦後、さらに現代へと繋がる激動の時代を背景に、懸命に生き抜いた人々の姿とその運命を壮大なスケールで描くヒューマン・ドラマ。タイトルの「雪風」は、太平洋戦争中に実在した一隻の駆逐艦(くちくかん)の名から付けられた。
「大和」や「武蔵」といった戦艦などに比べると、遥かに小型で軽量、高速で小回りの効く駆逐艦は、艦隊の前線に躍り出て魚雷戦を仕掛け、戦いの先陣を切るのが本来の役目。しかし、太平洋戦争では、その機動性ゆえに戦闘及び艦隊護衛に加え、兵員や物資の輸送、上陸支援、沈没艦船の乗員救助などに駆り出され、「海軍一の働きもの」「海の何でも屋」として、数々の過酷な戦場で活躍、そして消耗し、次々と海に沈んでいった。
主力だった甲型駆逐艦38隻のうち、激戦を生き抜き、沈むことなくほぼ無傷で終戦を迎えたのは、「雪風」ただ一隻。その戦いの中でこの艦は、敵の攻撃で海に投げ出された他艦の兵士たちを、時には敵味方関係なく救い続けた。
さらに、戦後は「復員船」として航海を繰り返し、外地に取り残された人々、約13000名を日本に送り返した。200名強の乗員が、一度にその二倍三倍もの人々を救い、故郷に戻し続けた“縁の下の力持ち”の「雪風」は、その後も賠償艦として、連合国側に引き渡され、再び駆逐艦としての役割を果たした。大阪万国博覧会が開かれた1970年。日本の戦後復興を見届けるように、その姿は異国の海に消えていった。
本作は、アメリカを始めとする戦勝国からも讃えられた伝説の“不沈艦”「雪風」の勇姿を、史実に基づいたフィクションとして甦らせる。脚本は「真夏のオリオン」「空母いぶき」の長谷川康夫が手掛け、「あしたの私のつくり方」「蛇にピアス」などで助監督を務めた山田敏久監督がメガホンをとった。
竹野内が演じる「雪風」の艦長・寺澤一利は、様々な資料を基に生み出されたオリジナルキャラクター。寺澤は絶えず冷静に指示を下し、時には型破りな判断で激戦をくぐり抜けてみせるリーダーシップと、武士道を信念に携えた人物。竹野内は「戦争を経験していない自分が史実に基づく人物を演じることは、様々な不安もありましたが、気を引き締めて役に挑みました」と語り、「この映画が一人ひとり、少しでも多くの皆様方の心に届き、考えるきっかけになれば幸いです」とコメントを寄せた。
映画「雪風 YUKIKAZE」は24年5~6月に撮影を終え、現在はポストプロダクション中。竹野内のコメント全文は以下の通り。
【竹野内豊】
戦争を経験していない自分が史実に基づく人物を演じることは、様々な不安もありましたが、気を引き締めて役に挑みました。2025年に日本は終戦80年を迎えます。昨今、残念ながら戦争を身近に感じる時代になり、変わりゆく日本の景色の中で本作が世に送り出されることにも必ず意味があるのだろうと、信じたいです。平和な未来を築き、美しい日本を守ってゆくには、私達は何を想い、何を大切にしていかなければならないのか。
この映画が一人ひとり、少しでも多くの皆様方の心に届き、考えるきっかけになれば幸いです。