韓国で数々の賞レースを席巻した「ムービング」の制作陣が再集結した「照明店の客人たち」の製作発表会見が、韓国・ソウルで行われた。本作は、暗い路地裏の照明店を訪れる奇妙な客人たちをめぐる、切なくも温かい人間愛を描いた感動のヒューマンミステリー。会見には、「ムービング」と同じく原作・脚本を担当するカンフルをはじめ、キム・ヒウォン監督、主演のチュ・ジフンら豪華キャスト陣が出席した。
サングラス姿の謎の店主ウォニョン(チュ・ジフン)が営業するこの店には、今日も“どこか変わった客人たち”が引き寄せられていく。暗闇をさまよいながらも彼らがたどり着いたこの照明店の正体は、“生と死の境目”の世界だった。客人たちの過去、現在、そして未来へのカギを握っているこの照明店で、客人たちの過去が紐解かれたとき、物語は180度景色を変え、驚くべき結末を迎える。
韓国エンタメ界をけん引するヒットメーカーとして注目を集めるカンフルは、「ご覧の通り、たくさんの人物が登場する物語です。そのひとりひとりを深堀りしながら、キャラクター間の関係性を描きたいと思いました」と語り、「ドラマでは、キャストの皆さんや監督のおかげで、僕が(原作コミックの)絵では、描き切れなかったところまで表現することができた。原作ファンの皆さんも満足できる作品になっていると思います」と、自信を示した。
そんな本作は「ホラーやロマンス、スリラーなど、さまざまな要素が入っているので、複合的に楽しめる」といい、「感情に寄り添った作品なので、最後には胸を打たれると思いますし、ネタバレになるかもしれませんが、8話(最終話)のラストシーンは、特にパンチの効いたシーンになっていると思います」と、期待をあおった。
照明店の店主ウォニョンを演じるチュ・ジフンは、「監督とカンフルさんと相談し、サングラスをかけて表情が見えないようなビジュアルにした」と振り返り、「台本に忠実に演じようと思い、対面する相手によって、演技やトーンを変えたり、自分が台本を読んで感じたことが正しいのか随時確認しながら演じました」と、役づくりを語った。
また、大きな事故に遭って以来、生死の境目にいる人の姿が見えるようになった看護師・ヨンジ役を務めたパク・ボヨンは、「特別な存在が見える瞬間の混乱など、彼女の感情を感じ取ればよかったので、大変ではありませんでした」と笑顔。看護師を演じるのは、これで3回目となり、「実際に注射をすることはありませんが、注射の手順は覚えたので、自分が注射を打つときは、じっと針を見るようになりました」と話していた。
演出を手がけたのは、「ムービング」に出演した俳優のキム・ヒウォン。今回、カンフルの勧めで、監督デビューを果たし、「どうすれば新鮮に映るのか、世の中に受け入れてもらえるか、ずいぶん悩みました。ここにいるキャストの皆さんがいなければ、やり遂げられなかったと思います」と、感謝を示した。また、「全世界で視聴回数が最も多い作品になることを願っています」と、「ムービング」旋風の再来に期待を寄せていた。
そんなキム・ヒウォンについて、チュ・ジフンは「“定時退社”など事前に約束をしたルール通りに進めてくださったので、演じる側としては、こんなにすばらしい現場がほかにあるかと思うほどでした」と、賛辞をおくっていた。
「照明店の客人たち」は、ディズニープラスの「スター」で独占配信中(全8話/毎週水曜2話ずつ配信)。なお12月22日まで、新宿ミロードの1階、ZeroBase Labs 新宿で、本作のポップアップ展が開催されている。