松坂桃李が主演する2025年1月放送スタートの日曜劇場「御上先生」(毎週日曜午後9時)で、松坂扮する御上先生を取り巻く教師・官僚役を演じる8人のキャストが発表された。吉岡里帆、迫田孝也、臼田あさ美、櫻井海音、林泰文、及川光博、常盤貴子、北村一輝という豪華キャストが集結した。
松坂が演じるのは、東大卒のエリート文科省官僚の御上孝(みかみ・たかし)。ある出来事を機に「日本の教育を変えてやろう」と官僚になるが、現実は理想とほど遠いものだと悟る。御上は、制度を作っている側にいても変えられない、ならば現場から声をあげ、制度の内部からぶっ壊せばいい、と自ら教壇に立つ。制度を作る側である官僚と、制度に苦しめられる側である教師の両方を兼ねる“官僚教師”が、令和の時代を生きる18歳の高校生を導きながら、権力に立ち向かっていく。
完全オリジナルストーリーとなる本作の脚本を担当するのは、第28回読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞するなど演劇界に主軸を置く詩森ろば。松坂とは映画「新聞記者」以来のタッグとなり、今作で初めてゴールデン帯連続ドラマの脚本を担当する。プロデューサーは、「アンチヒーロー」「VIVANT」「マイファミリー」「ドラゴン桜」など、近年話題となった日曜劇場作品を担当してきた飯田和孝氏。
追加キャストとして発表されたのは、“官僚教師”の御上と、御上が担任を務める出向先の隣徳学院3年2組の生徒29名に深く関わる役どころを演じる8名。映画「正体」で逃亡犯の無実を信じる難役を演じ、「第49回報知映画賞」助演女優賞を受賞した吉岡は、「ごめん、愛してる」以来、7年ぶりに日曜劇場に出演。本作では、隣徳学院3年3組の副担任・是枝文香(これえだ・ふみか)役を演じる。熱心で生徒からの信頼も厚い国語教師だが、文科省から御上がやってきたことで大きな影響を受けることになる。
「VIVANT」で松坂と共演した迫田は、隣徳学院3年の学年主任・溝端完(みぞはた・たもつ)役で出演。国家公務員試験に落ちた経歴を持つ溝端は、エリート官僚の御上の存在を面白く思っていない。
12年ぶりの日曜劇場出演となる臼田は、養護教諭の一色真由美(いっしき・まゆみ)役に決定。過去作品では松坂と夫婦役を演じた臼田が、どんな掛け合いを見せてくれるのか注目だ。
実写「【推しの子】」で主演を務めるなど話題作への出演が続く櫻井は、「VIVANT」に続いて2作目の日曜劇場出演。御上の文科省の後輩・津吹隼人(つぶき・はやと)役を担い、働く若者の葛藤を体現する。
「アトムの童」「VIVANT」「アンチヒーロー」など日曜劇場への出演を重ねる林は、神出鬼没な男・中岡壮馬(なかおか・そうま)役。及川は、御上の隣徳学院への赴任を後押しした文科省初等中等教育局局長・塚田幸村(つかだ・ゆきむら)役を演じる。
主演ドラマ「グッドワイフ」以来、5年ぶりの日曜劇場出演となる常盤は、元隣徳学院の教師・冴島悠子(さえじま・ゆうこ)役で登場。冴島はある出来事がきっかけで学院を去り、現在はコンビニでパートとして働いている。
一代で東大入学者数・県内ナンバーワン進学校を創り上げた隣徳学院の理事長・古代真秀(こだい・まさひで)役は、Netflixシリーズ「地面師たち」での好演も記憶に新しい北村。日曜劇場への出演は、「天国と地獄 サイコな2人」以来4年ぶりとなる。
「御上先生」は、25年1月にTBS系で放送スタート。飯田プロデューサーのコメントは以下の通り。
【プロデューサー:飯田和孝氏】
子供は大人の下に存在する、学生は大人の管理下にある、もちろん安全面など大体において正しいと思うのですが、欧米に比べてこの管理意識が異様に高いのが日本なんだそうです。18歳から成人とされたにもかかわらず、この構図は変わる気配はありません。そしてこの構図が、「人のせいにする大人」を生み出しているとさえ言われています。
このドラマで、御上先生に影響を受けるのは、29人の生徒だけではありません。登場する大人たちも、御上先生の「考えろ」という言葉に突き動かされていきます。学校、文科省、さまざまな場面で、御上先生の言葉を感じ、変化していきます。大人たちが、自分の弱さを認め、考えて、変化しようとする時、生徒と同じように大人も成長していきます。社会が抱える問題、私たち大人が見て見ぬ振りをしてきた問題に、この登場人物たちが向き合わせてくれます。
撮影が始まって二か月弱、大人キャストの生徒を見る目は、子供に対しての目ではありません。一緒にシーンを構築していく俳優部として、切磋琢磨する仲間として、その場にいます。時にアドバイスを、時に場を和ませてくださる皆さんと生徒のシーンは、緊張感と温かさとが入り混じっている不思議な感覚があります。
『御上先生』で生徒たちを輝かせる大人たちの弱さや葛藤、嫉妬、執念、さまざまな感情に、自身を投影して、共感していただけたら嬉しく思います。