インド映画の特集上映「インディアンムービーウィーク2025」の1月17日から、東京・キネカ大森で開催される。初上映作品と過去の人気作品を合わせ、全14作品が上映される。
国語が存在せず、地域ごとに公用語が並立する多言語大国インド。その映画産業もまた、言語ごとに幾つにも分かれ、それぞれが独自の映画的風土をもち、各言語を母語とする観衆から厚い支持を得ている。今回は、タミル語映画界で注目を集めるローケーシュ・カナガラージ監督の長編デビュー作「チェンナイの夜」日本語字幕版を初上映し、同監督の出世作「囚人ディリ」もあわせて上映される。
このほか、“独立の父”ガンディーと息子の知られざるドラマ「ガンディー わが父」の新字幕版、2024年の公開作品「PS1 黄金の河」「PS2 大いなる船出」の連続上映や、「ジガルタンダ・ダブルX」が話題となったカールティク・スッバラージ監督作品の「ジガルタンダ」「女神たちよ」がラインナップに加わった。さらには、2025年2月公開のラジニカーント主演作「ジェイラー」の特別上映など、初上映・アンコール上映を含めて全14作品、ドラマからアクション、スリラー、コメディ等々、さまざまなジャンルのインド映画を楽しめるセレクションになっている。
[初上映作品]
■「チェンナイの夜」
就職活動中のパラニ、ギャングに狙われるジーヴァー、タクシー運転手ナタラージ。バーに居合わせた無関係な3人の行動が複雑にもつれて予期せぬ方向に向かう、ハイパーリンク・スリラー。日本語字幕版初上映。
監督 ローケーシュ・カナガラージ
出演 シュリー、サンディープ・キシャン、レジナー・カサーンドラ、チャーリ
原題:Maanagaram
ジャンル スリラー
2017年/インド/ タミル語/137分/ G相当
■「ガンディー わが父」
病院に担ぎ込まれた瀕死の男は、マハートマー・ガンディーの長男ハリラールだった。息子は父のような弁護士を志したが挫折。生涯にわたり生業を持てず、父とはぎくしゃくした関係が続いた。実話に基づくドラマ。第20回東京国際映画祭の上映作品を、新字幕にてIMW初上映。
監督 フィローズ・アッバース・カーン
出演 アクシャイ・カンナー、シェーファーリー・シャー、ダルシャン・ジャリーワーラー、ブーミカー・チャーウラー
原題 Gandhi My Father
ジャンル 伝記ドラマ
2007年/ インド/ ヒンディー語/ 140分/ 映倫G相当
【特別上映作品】
■「ジェイラー」
元警察官ムトゥ・パンディヤンの息子、警察官のアルジュンが行方不明となる。ムトゥが一民間人として独自に捜査を進める中、“タイガー”の名で怖れられていた元看守〈ジェイラー〉ムトゥの真の姿が明かされていく。2025年2月21日(金)公開作品を、いち早く特別上映する。
監督 ネルソン・ディリープクマール
出演 ラジニカーント、シヴァラージクマール、モーハンラール、ラムヤ・クリシュナ
原題:Jailer
ジャンル アクション、ドラマ
2023年/ インド/ タミル語/ 168分/ R15+
【アンコール上映作品】
■「満ちる潮の物語」
キリスト教徒のアレックスは刑務所から脱獄し、脱走中に出会ったアクバル・アリという男とともに、成り行きからラクシャドウィープ諸島にたどり着く。アクバルは、イスラームの離婚の掟に翻弄されていた。
監督 アジット・ピッライ
出演 アーシフ・アリ、サンニ・ウェイン、スワーティ・レッディ、ジャナニ・アイヤル
原題 Mosayile Kuthira Meenukal
ジャンル ロマンチック・コメディー
2014年/ インド/ マラヤーラム語/131分/ G
■「マーク・アントニー」
マッドサイエンティストが作った電話型タイムマシンが、ギャングの遺児の自動車工の男の手中に転がり込む。それを知ったライバルギャングの息子との間で、過去の編集合戦が起こる。狂騒的なテンションの怪作。
監督 アーディク・ラヴィチャンドラン
出演 ヴィシャール、S・J・スーリヤー、スニール、リトゥ・ヴァルマ
ジャンル SF
原題 Mark Antony
2023年/ インド/ タミル語/ 151分/ G
■「PS1 黄金の河」
10世紀末のタミル地方中部、チョーラ朝は最盛期を目前にするが、王は病に臥し、宮廷では王位簒奪の陰謀が進行していた。それに対抗する王家の人々と若き騎士の活躍。マルチスターの歴史絵巻、2部作の前編。
監督 マニラトナム
出演 ヴィクラム、アイシュワリヤー・ラーイ、ジェヤム・ラヴィ、カールティ、トリシャー・クリシュナン
原題 Ponniyin Selvan Part One
ジャンル ドラマ
2022年/インド/ タミル語/167分/ G
■「PS2 大いなる船出」
敵襲を受け荒波に沈みながらも、アルンモリ王子は一命を取り留める。2人の王子と聡明な王女は結束を新たにするが、復讐に燃える美女ナンディニとパーンディヤ国残党の魔の手が彼らに迫る。
監督 マニラトナム
出演 ヴィクラム、アイシュワリヤー・ラーイ、ジェヤム・ラヴィ、カールティ、トリシャー・クリシュナン
原題 Ponniyin Selvan Part Two
ジャンル ドラマ
2023年/インド/ タミル語/167分/ PG12
■「ジガルタンダ」
映画監督を目指すカールティクは、プロデューサーからの提案でギャングの抗争をテーマにした映画をつくることになり、マドゥライの凶悪なギャングのボス、セードゥにアプローチする。
監督 カールティク・スッバラージ
出演 シッダールト、ボビー・シンハー、ヴィジャイ・セードゥパティ
原題 Jigarthanda
ジャンル ドラマ、コメディ
2014年/インド/ タミル語/171分/ PG12
■「ジガルタンダ・ダブルX」
不可解な事件に巻き込まれた新米警察官キルバイは、悪徳警視に脅され、マドゥライのギャングのボス、シーザーの暗殺を命じられる。彼は映画監督のふりをしてシーザーに近づく。
監督 カールティク・スッバラージ
出演 ラーガヴァー・ローレンス、S・J・スーリヤー、ニミシャ・サジャヤン
原題 Jigarthana Double X
ジャンル スリラー
2023年/インド/ タミル語/172分/ PG12
■「女神たちよ」
映画監督のアルルと幼なじみのマイケルは、内面に抱える問題のストレスを妻にぶつける日々。アルルの弟ジャガンが女神像の密売に手を出したことから、彼らの運命は思わぬ方向に転がっていく。
監督 カールティク・スッバラージ
出演 S・J・スーリヤー、ヴィジャイ・セードゥパティ、ボビー・シンハー、アンジャリ
原題 Iraivi
ジャンル クライム、 ロマンス
2016年/インド/ タミル語/158分/ G
■「囚人ディリ」
元囚人のディリは、数十名の警官がクスリを盛られ意識を失った現場に居合わせ、警官たちを80キロ先の病院に運ぶトラックを運転することに。道中には敵対勢力の襲撃が待ち構えていた。
監督 ローケーシュ・カナガラージ
出演 カールティ、ナレーン、アルジュン・ダース、ジョージ・マリヤーン
原題 Kaithi
ジャンル ドラマ、アクション
2019年/インド/ タミル語/145分/ PG-12
■「キケンな誘拐」
失業中のセーカル、ケーサヴァン、パガラヴァンは、酒場で出会った誘拐犯ダースから誘われ、迷いながらも仲間に加わる。ある日舞い込んだ一発大逆転の儲け話から、彼らはトラブルに巻き込まれる。
監督 ナラン・クマラサーミ
出演 ヴィジャイ・セードゥパティ、アショーク・セルヴァン、ラメーシュ・ティラク、ボビー・シンハー
原題 Soodhu Kavvum
ジャンル クライム・コメディ
2013年/ インド/ タミル語/ 133分/ G
■「タライヴァー」
シドニーに暮らすヴィシュワは、恋人を連れムンバイに住む生き別れた父の元を訪れる。父のラーマドゥライは人々から慕われるドンだったが、息子には身分を偽っていた。再会時、父子は暴力に襲われる。
監督 A・L・ヴィジャイ
出演 ヴィジャイ、アマラ・ポール、サティヤラージ、ラーギニー・ナンドワーニー
原題 Thalaivaa
ジャンル スリラー
2013年/インド/ タミル語/175分/ G
■「ラームとリーラー」
ホーリー祭で出会ったラームとリーラーはお互いに一目で恋に落ちるが、相手が対立する部族の出身であることを知る。極彩色と銃撃戦に彩られた、「ロミオとジュリエット」の翻案。
監督 サンジャイ・リーラー・バンサーリー
出演 ディーピカー・パードゥコーン、ランヴィール・シン/プリヤンカー・チョープラー(カメオ出演)
原題 Goliyon Ki Rasleela Ramleela
ジャンル ロマンス
2013年/ インド/ ヒンディー語/ 156分/ G
【開催日程・上映劇場】
2025年1月17日(金)~ 2月13日(木)
キネカ大森
【チケット料金】
2000円(税込)均一
※全席指定/入替制
※特別興行のため、各種割引・招待券・株主優待券は使用不可