「オッペンハイマー」で世界的な評価を獲得したクリストファー・ノーラン監督が、古代ギリシャ文学の金字塔「オデュッセイア」の映画化に挑むことが明らかになった。米ユニバーサル・スタジオの発表によると、最新のIMAX技術を駆使した世界規模のロケ撮影を実施し、2026年7月17日に世界同時公開される。
これまで、マット・デイモン、トム・ホランド、アン・ハサウェイ、ゼンデイヤ、ロバート・パティンソン、ルピタ・ニョンゴ、シャーリーズ・セロンという豪華キャスト陣の名前のみが発表され、作品の詳細は明かされていなかった。
原作となる「オデュッセイア」は紀元前8世紀頃に成立した叙事詩で、トロイ戦争の英雄オデュッセウスの波乱に満ちた帰還の旅を描く。ひとつ目の巨人キュクロプスや、航海士たちを豚に変えてしまう魔女キルケーとの遭遇など、神話的な冒険を経て、20年ぶりに故郷イタケーへ戻るまでの壮大な物語である。
本作は「オッペンハイマー」に続くノーラン監督とユニバーサルの第2弾製作となる。「オデュッセイア」は1954年にカーク・ダグラス主演で「ユリシーズ」として映画化されたほか、近年ではウベルト・パソリーニ監督が「The Return」で、レイフ・ファインズとジュリエット・ビノシュを起用し、帰還後の物語を描いている。また、コーエン兄弟は「オー・ブラザー!」(2000年)で1930年代のアメリカ南部を舞台に大胆な翻案を手がけている。
3000年の時を経て語り継がれる不朽の物語をノーラン監督がどのように解釈し、最新技術で具現化するのか、世界中から注目が寄せられている。