2025年、世界の映画市場が待望の全面回復へと向かう中、空前の大作ラッシュが幕を開けようとしている。米Comicbook.comの分析によると、コロナ禍前の活況を完全に取り戻すとともに、歴代記録の更新も期待される展開となりそうだ。
注目の筆頭は、全世界で社会現象となった「アバター」シリーズ最新作「アバター ファイアー・アンド・アッシュ」。前作「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」は世界興収20億ドルの大台を突破し、コロナ禍からの映画界復活を象徴する作品となった。アジアを中心とした海外市場の本格回復を追い風に、第3作はさらなる記録更新への期待が高まっている。
マーベル・スタジオは、待望の新シリーズ「ファンタスティック・フォー ファースト・ステップス(原題)」を7月末に投入。「デッドプール」シリーズなどで実績のある8月の興行戦略を踏襲し、新たなヒットシリーズの誕生を狙う。
アクション界の重鎮トム・クルーズが挑む「ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング」は5月23日に日米同時公開。3週間にわたるIMAXスクリーン独占展開という強みを活かし、シリーズ最終章に相応しい有終の美を飾ると期待される。
音楽映画の分野では、世界的な注目を集めるマイケル・ジャクソンの伝記映画「マイケル」が10月に公開。「エルヴィス」の北米興収1億5000万ドルを超える成功が見込まれている。
アニメーション界では、ディズニーが感謝祭シーズンに「ズートピア2」を展開。10億ドルを突破した前作の実績と、近年のアニメーション人気の高まりを受け、「モアナと伝説の海2」を超える長期興行が期待されている。
ミュージカル映画では、「ウィキッド」の第2部が控える。第1部「ウィキッド ふたりの魔女」が実写ミュージカルとして歴史的な興収を記録する見込みで、続編への期待値も急上昇している。
2025年は各作品の緻密な公開時期の設定により、年間を通じて安定した興行収入が見込まれている。コロナ禍を乗り越えた映画界が、新たな黄金期を迎えることを期待したい。