米ロサンゼルス・タイムズが2024年の映画ベストテンを発表し、ドゥニ・ビルヌーブ監督のSF超大作「デューン 砂の惑星 PART2」を首位に選出した。ホラー映画の続編「スマイル2」も10位にランクインするという異例の選考となっている。
ランキングを作成した映画評論家のエイミー・ニコルソンは「デューン 砂の惑星 PART2」について「単なるSF大作を超え、現代の不安を映し出す映画だ」と評価。原作者フランク・ハーバートが描いた救世主の物語を、ビルヌーブ監督が宗教的狂信や環境破壊など、現代の問題に置き換えて描いた点を高く評価している。
特に注目したのは、原作では脇役だったゼンデイヤ演じるチャニが、物語の中心的存在として描かれている点だ。「チャニは作品の鼓動する、葛藤を抱えた心臓部となっている」と指摘する。
また、10位の「スマイル2」については「完璧な演出のホラー作品」と称賛。主演のナオミ・スコットが演じる自己破壊的なポップスターという設定も相まって「悪魔に取り憑かれていなくても十分に魅力的なキャラクター」だと評している。
2位にはショーン・ベイカー監督の「ANORA アノーラ」、3位にはローズ・グラス監督の「ラブ・ライズ・ブリーディング(原題)」が続いた。ベストテンの作品のうち、7本が新人、あるいは2作目の監督によるフレッシュな作品であるのも特徴だ。
LAタイムズの選ぶ2024年映画ベスト10は以下の通り。
1位 「デューン 砂の惑星 PART2」(監督:ドゥニ・ビルヌーブ)
2位 「ANORA アノーラ」(監督:ショーン・ベイカー)
3位 「ラブ・ライズ・ブリーディング(原題)」(監督:ローズ・グラス)
4位 「ア・リアル・ペイン(原題)」(監督:ジェシー・アイゼンバーグ)
5位 「ハンドレッズ・オブ・ビーバーズ」(監督:マイク・チェスリク)
6位 「ニッケル・ボーイズ(原題)」(監督:ラメル・ロス)
7位 「ハウ・トゥ・ハブ・セックス(原題)」(監督:モリー・マニング・ウォーカー)
8位 「ユニバーサル・ランゲージ(原題)」(監督:マシュー・ランキン)
9位 「ザ・シード・オブ・ザ・セイクレッド・フィグ(原題)」(監督:モハマド・ラスロフ)
10位 「スマイル2」(監督:パーカー・フィン)