脇役一筋70年、2000本以上もの作品に出演し、テレビドラマ・映画で幅広い役柄を演じてきた俳優・織本順吉氏の“最晩年”に迫ったドキュメンタリー映画「うしろから撮るな 俳優織本順吉の人生」が、3月29日から公開されることが決定。あわせて、ポスタービジュアルと場面写真が披露された。
死の直前まで現役を貫き、92歳で亡くなった俳優・織本順吉氏。2000本以上ものTVドラマ・映画に出演し、地味だが情感あふれる脇役を演じ続けた。だがその裏では、家族と共に生きられない一面があった。
本作の監督を務めたのは、実の娘でもある中村結美。父へ、復讐心からカメラを向けた娘。老いて、体の自由が効かなくなり、セリフ覚えが覚束なくなり、感情を抑えることができず、家族相手に子どものように泣きわめく。
そんな晩年の父を、娘の視点で赤裸々に撮り続けた4年間。それはカメラを挟んだ格闘であり、カメラを挟むことでようやく向き合えた父と娘の記録でもあった。
そして続けるうち、自らの業をさらけ出しているのは、撮られる父か、撮り続ける娘か、わからなくなっていった。「老いるとは何か? 家族とは何か? 生を全うするとは何か?」。誰もが抱えるこの命題に、父の死を通して向き合う“家族のドキュメンタリー”となっている。
「うしろから撮るな 俳優織本順吉の人生」は、3月29日から新宿K's cinemaほか全国順次公開。