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庵野秀明、あこがれの森雪声優・麻上洋子に緊張!「古代くんの“くん”がいいんですよ」

映画.com 2025年1月11日 8時0分

 庵野秀明の監修により実施される「『宇宙戦艦ヤマト』放送50周年記念セレクション上映」【PROGRAM3】トークショーが1月10日、東京・新宿ピカデリーで行われ、庵野の司会のもと、本作ヒロイン森雪の声優を務めた麻上洋子、そして「宇宙戦艦ヤマト2199」のコミカライズを手がける漫画家のむらかわみちおが出席した。

 中学2年生の時に「宇宙戦艦ヤマト」に出会って以来、50年にわたって無類のヤマトファンであり続けた庵野が企画する本上映会もいよいよ第3プログラムに突入。今回は第23話「ついに来た! マゼラン星雲波高し!」、第24話「死闘! 神よ、ガミラスのために泣け!!」、第26話「地球よ、ヤマトは帰って来た!!」の3本をスクリーンで上映する。

 この日のゲストは永遠のヒロインとしてヤマトファンに愛され続け、現在は講談師・一龍斎春水としても活躍中の麻上。いつになくソワソワした様子で「僕のあこがれなんですよ」と笑顔を見せた庵野は、「第1次声優ブームというのがあって。麻上洋子という名前を見つけたら必ず見てましたし、『ポールのミラクル大作戦』も見てました」とコメント。するとすかさず麻上が「僕、パックンだよ!」と同作に登場する妖精のキャラクターの声を披露。これには庵野も「ありがとうございます!」と大喜びだ。

 その後も麻上が演じたキャラクターについて熱弁する庵野。「よく聞いているわね」と笑う麻上に、「よく聞いてますよ! なんせ50年聞いてますから」と目を輝かせると、「めったに緊張しないんですけど、今日は緊張しています」と喜びをかみ締めている様子だった。

 やはり70年代に空前のアニメブームを巻き起こした「宇宙戦艦ヤマト」ということで、「ヤマトで育てられたという方も多いんですよね」と麻上が語ると、「この業界は本当に多いですよ。だいたい僕と同じくらいの世代から、下の10年くらいはヤマト世代で埋まっていると思います」と庵野。さらに麻上が「宇宙の(研究者の)方たちもヤマト好きな方が多いんですよね。松本零士先生と一緒にパーティーに出たりすると、そういう宇宙の方たちが先生を取り囲んで。『本当に子どもの頃に観てたんです』と目を輝かせているシーンに何回か出会ったので。その時に観てくださった方が、好きなものを見つけてお勉強して。そして今の世の中に貢献しようと、地球を大事にしながら、宇宙を大事にしながら、そしてアニメの中の夢を大事にしながらやってくださっているんだなというのをものすごく感じます」としみじみ。庵野も「本当にすごいアニメなんですよ。50年たってもこれだけの影響がありますから」と続けた。

 森雪を演じた頃を振り返った麻上は、「まだまだ素人でしたから。自分の地を出すしかなかった。キャーッという声を出す時も、わたしがキャーッという声を出す時はこんな声だろうなと、思うままに声を出したら、(音響監督の)田代(敦巳)さんが、『あんな恥ずかしい声を出してくれる人はお芝居をやっている中にはいないよ』と言われた」と明かすと、庵野は「そうなんですよ……」と全面的に共感した様子で深くうなずいた。

庵野「本当に芝居がナチュラルでいいんですよ。笑い方が特徴があっていいんですよ。23話で写真を撮った後の、あそこの笑い方もいいんですよね。あの笑い方はまねできない。それくらい不思議な笑い方。毎回不思議な笑い方なんですけどね」。

 さらに「(プロデューサーの)西崎(義展)さんは『古代くんの“くん”がいい』というんですよね」という麻上に、満面の笑みで「わかってらっしゃいます!」と語った庵野。会場からも共感の拍手がわき起こった。「そう、“くん”がいいんですよ。特徴的で。メロメロです」と語る庵野は、「実在しないキャラクターで、好きという感覚が生まれたのは森雪が最初だと思います。そういう意味では初恋の人なんです」とキッパリ。照れくさそうに「ありがとうございます」と語る麻上に、庵野は「たぶんこれくらいの男子は多いと思いますよ。全国でも。それこそ万単位でいるハズ」と返していた。

 そこに「でも雪は女性ファンが多いんですよ」と続けたむらかわ。麻上が「わたしの講談を応援してくださっている方は、男社会の中でしっかりと仕事をしている雪を見て、こういう人にわたしはなる! と言ってくださっていましたね」と笑顔で振り返ると、庵野も「森雪は女性にも好かれるキャラクターだと思います。それとなんといっても、麻上さんの声がいいんですよ……」ととろけそうな顔。「僕の中では森雪と麻上さんの声はセットになっていますから」という庵野に向かって「庵野くん……」。麻上の呼びかけに大テレとなった庵野。会場は大盛り上がりとなった。

 そんな大盛り上がりのイベントもいよいよ時間切れ。最後に麻上が「今日は当時の少年少女たちと時間を共有することができてうれしいです。両サイド(庵野とむらかわ)も当時の少年たちで。こんなしあわせが続くように願います」と呼びかけると、庵野も「ヤマトはメカもいいんですけど、ヤマトの中心ってやっぱりドラマなんですよ。それを演じてくださった麻上さんと今日はお話ができて。本当にしあわせでした」とかみ締めるように語った。

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