3月16日に香港にて開催されるアジア全域版アカデミー賞「第18回アジア・フィルム・アワード」(AFA)の各ノミネーションが発表された。
日本からは、作品賞、監督賞、主演男優賞(長塚京三)、助演女優賞(瀧内公美)など6部門の候補として、昨年の東京国際映画祭(TIFF)でグランプリ含む3冠に輝いた吉田大八監督作「敵」がノミネートされたほか、カンヌ映画祭監督週間で国際映画批評家連盟賞を受賞し話題になった「ナミビアの砂漠」から山中瑶子監督が新人監督賞、河合優実が主演女優賞に、同じく新人監督賞にはベネチア国際映画祭のオリゾンティ部門で上映された「HAPPYEND」の空音央監督が選ばれている。
さらに助演男優賞には、37回TIFFで黒澤明賞を受賞した三宅唱監督作品「夜明けのすべて」の光石研、カンヌ国際映画祭のある視点部門に選出された「ぼくのお日さま」(奥山大史監督)の池松壮亮がノミネート。そして昨年のTIFFアジアの未来部門で上映された「黒の牛」(蔦哲一朗監督)、「箱男」(石井岳龍監督)がそれぞれ各賞に選ばれるなど、日本の7作品が計15部門にてノミネートされている。
本年は、アジア25の国と地域より30作品のノミネート(全16部門)があり、チャン・ジェヒョン監督の「破墓 パミョ」(韓国)が作品賞を含む最多11部門でノミネート。作品賞は他に、カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞したパヤル・カパーリヤー監督の「All We Imagine as Light」(インド他)、第37回TIFFのガラ・セレクションで上映されたグァン・フー監督作「ブラックドッグ」(中国)、また同じく昨年のTIFFガラ・セレクションで上映され、今回9部門でノミネートされているソイ・チェン監督の「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」(香港)がノミネートされ、日本の「敵」と最優秀作品賞を競うことになった。
なお、審査員長は、昨年のTIFFでマスタークラスのチケットが即日完売し、国際的に高い評価を受ける映画界の伝説的存在サモ・ハンが務めることに。世界から集まる他審査委員メンバーおよび200人を超える投票者である映画人とともに、今年の受賞者を決定する。
サモ・ハン「アジア・フィルム・アワードの審査委員長を務めるができ、大変光栄です。責任の重い役割ではありますが、仲間たちと協力しながら、アジア映画界の発展に引き続き取り組みたいと思います」