12月20日から全国で公開中の「劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師」の興行収入が10億円を突破し、新たな場面カットが公開された。さらに原作者・尼子騒兵衛氏がコメントを寄せ、土井半助ときり丸の絆について、思いを明かしている。
同作は、尼子騒兵衛氏の忍者ギャグ漫画「落第忍者乱太郎」をテレビアニメ化した「忍たま乱太郎」の、約13年ぶりとなる劇場版。忍術学園⼀年は組の担任である土井半助(CV:関俊彦)が、タソガレドキ忍者・諸泉尊奈門(代永翼)との決闘に向かった後、消息を絶った。担任不在の⼀年は組の教壇に、タソガレドキ忍軍の忍び組頭・雑渡昆奈門(森久保祥太郎)と尊奈門が立つ一方、土井を捜索する六年生の前に、土井とうりふたつの姿をしたドクタケ忍者隊の冷徹な軍師・天鬼が現れる。
場面カットには、消息を絶った土井をめぐって乱太郎(高山みなみ)、きり丸(田中真弓)、しんべヱ(一龍斎貞友)、六年生らが見せるシリアスな表情が切り取られている。今作で初公開された幼いきり丸の姿や、劇中で展開されるドクタケ忍者隊のミュージカルシーンのカットも披露された。
尼子騒兵衛氏からのコメント全文は以下の通り。
【尼子騒兵衛(原作者)】
しんしんと雪が降る中でむしろにくるまって小さくなっている、原作にもテレビアニメにも出てこない幼いきり丸のカット。本当に⼀瞬ですけれども、あのシーンを見た時「ああそうだよなあ」と。
戦災孤児で忍術学園の学費を自分で稼いでいるきり丸の幼い頃は、私が描いたことのないきり丸でしたが、あれがあの時代の戦災孤児の姿だと思います。
そんな天涯孤独だったきり丸に、帰る場所をくれた人っていうのが、土井なんですよね。今回の映画で、親であり、兄であり、先生でもある土井との関係を、藤森監督はさらっと大切に描いてくださったなと思います。土井ときり丸が、黙っていてもお互いを大事にしていることが、細かい演出の節々から伝わってきました。
それだけきり丸にとって大きな存在である土井の安否がわからず、誰にも言えず、ひとりで不安を抱えるきり丸の異変に、乱太郎としんべヱはすぐ気が付くんですよね。誰かが失敗したり、うまくいかなかったり、落ち込んだり、そんな時にみんなで「じゃあどうしよう?」って⼀緒に考えるのが「忍たま」なんです。
“乱きりしん”はそれぞれ違う境遇ですけれども、お互いを同情しないし、バカにしたりもしない、お互いに愛情をもっている友だちです。
じゃあなんで3人が友だちなのかっていうと、たまたま忍術学園の入学金を支払った時に一緒にいたからなんです(笑)。でも、友達の始まりって普通そんなものですよね。