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坂口健太郎が渡辺謙と魂の演技バトル! 柚月裕子原作「盤上の向日葵」超特報&ビジュアル披露 10月31日公開決定

映画.com 2025年1月15日 7時0分

 坂口健太郎と渡辺謙が、「孤狼の血」「朽ちないサクラ」の柚月裕子氏の原作小説を映画化する「盤上の向日葵」でメインキャストを務めることが発表された。公開日は10月31日に決定し、超特報とティザービジュアルが披露された。

 原作は、将棋の世界を背景にしながらも、将棋を知らない読者も多く惹きつけ、2018年本屋大賞第2位となった同名小説(中央公論新社)。柚月氏は執筆にあたり、「光と影」「人間の業」「人生を生き切る」という3つのテーマを根底に据えたという。「人生の光と影を描いた重厚な人間ドラマ」にほれ込んだ熊澤尚人監督(「君に届け」「ユリゴコロ」「隣人X 疑惑の彼女」)が、自ら自ら書き上げた脚本でメガホンを執った。

 とある山中で発見された身元不明の白骨死体。事件の唯一の手がかりは、 死体とともに発見された高価な将棋の駒だった。そして、この世に7組しか現存しないその貴重な駒の持ち主は、プロ将棋界に彗星のごとく現れ、一躍時の人として世間を騒がせている異色の若手棋士・上条桂介だった。

 やがて上条をめぐる捜査線上には“賭け将棋”で圧倒的な実力を持ちながら裏社会に生きた男、東明重慶(とうみょう・しげよし)の存在が浮かび上がる。東明と上条の間にいったい何があったのか。そして、上条の壮絶な過去が明らかになる。

 坂口は異色の天才棋士・上条役で主演を務め、渡辺は上条に大きな影響を与える男・東明役で初共演。坂口は本作について「年齢を重ねて、自分の見え方が多少なりとも変わってきたんだなということをあらためて確信した作品」と語り、渡辺との共演について「相手の役を考えた上で自分の芝居をする。現場でいろんな会話をして試しながら、桂介と東明という二つの役を、二つの関係性を一緒に作り上げていった感覚がありました」と振り返った。

 渡辺も「将棋界を描きながら、深い業を背負った男の生き様に心奪われました」と作品の魅力を語り、「坂口君は、真っ直ぐです」「彼の演じる桂介も様々な困難な生い立ちの中、懸命に真っ直ぐに生きていきます。それは坂口君自身が悩み苦しむのに似ています。おそらく、今作で彼の違う一面が見られる事でしょう」と太鼓判を押した。

 熊澤監督は過酷な過去を乗り越える主人公・上条を演じた坂口について、「その過程の葛藤や心情を惚れ惚れするぐらい丁寧に表現してくれました。(渡辺演じる)東明と魂と魂をぶつけ合うシーンは見ものです。男の色気に満ち溢れた、今まで見たことのない坂口さんの新たな代表作が誕生したのではないかと感じています」と絶賛。

 そして、渡辺に対し、「賭け将棋で生計を立てる真剣師として伝説的な強さだった東明を、渡辺さんが演じてくれたおかげで、脚本をはるかに超える作品に仕上げてくださいました」と感謝を述べた。

 超特報は、決然とした表情で歩く主人公・上条(坂口)の姿から始まる。警察車両が事件の発覚を伝え、将棋の駒、新人王戦トーナメントの会場風景が将棋界との関わりを示唆。東明(渡辺)が「命を張った真剣勝負、見たくねえのか」と挑発する様子に続いて、血の付いた手、受け入れがたい感情に揺さぶられる上条の姿が描かれる。そして場面は一転し、上条の「僕は、生きたいんだ」という声に重ねて、寒さに震える少年の姿が。上条と東明の関係性、そして一面に咲き誇る向日葵が意味が気になる映像となっている。

 「盤上の向日葵」は10月31日より全国公開。坂口、渡辺、熊澤監督のコメント全文は以下の通り。

【坂口健太郎】

■作品について

桂介役のお話をいただき、年齢を重ねて、自分の見え方が多少なりとも変わってきたんだなということをあらためて確信した作品です。観てくださる方の苦しみや悩みだったり、想い、抱えているものに答えを出す作品というより、自分にしかできない選択を提示するような作品だと思っています。

最初に台本を読んだときに感じたすごく密度の濃いものが、現場ではより色濃くなって、血と汗と涙といった熱量をとても感じました。目に見えなくても、何か目に見えそうなぐらいの熱気が充満してる、そんな瞬間に立ち会わせていただきました。

■初共演の渡辺謙さんについて

現場でもコミュニケーションをたくさんとられ、常に自然体で、とても波長が合う、すごく気持ちの良い方でした。監督が作品の全体を見てくださる一方で、役としての全体の軸のようなものを謙さんが示してくださっていて、様々なものをまとめていくエネルギーをすごく感じました。相手の役を考えた上で自分の芝居をする。現場でいろんな会話をして試しながら、桂介と東明という二つの役を、二つの関係性を一緒に作り上げていった感覚がありました。

【渡辺謙】

■作品について

ハードボイルドで、流血必至の作家、柚月裕子さんの今作「盤上の向日葵」。
将棋界を描きながら、深い業を背負った男の生き様に心奪われました。
将棋でしか生きられない切ない男達、その生き切る姿をご覧下さい。

■初共演の坂口健太郎さんについて

坂口君は、真っ直ぐです。
彼の演じる桂介も様々な困難な生い立ちの中、懸命に真っ直ぐに生きていきます。
でも東明にあってしまい、将棋の奥深さと勝利への執念に目覚めます。
それは坂口君自身が悩み苦しむのに似ています。
おそらく、今作で彼の違う一面が見られる事でしょう。

【熊澤尚人監督】

■作品について

原作を読んだのが2017年。高価な将棋の駒を死体と一緒に何故埋めたのか? その謎を解くミステリーですが、親子の葛藤と人間の業、人生の光と影を描いた重厚な人間ドラマとして大変面白く、映画化したいと直ぐに映画会社に持ち込みました。

脚本を書き始めてから約7年。沢山のハードルがありましたが、粘り強く乗り越え、完成へと至りました。大まかに5つの時代が、宿命と因果で繋がる物語を映画にするのは大変難産でしたが、降りかかる苦しみの中、自らの意志で人生を選択していく男の物語であり、主人公のその心情を一番大切に紡ぎました。多くの人が共感できる作品を作り上げることができたのではないかと思っています。ぜひご期待ください!

■坂口健太郎さんについて

運命に翻弄され、異端の棋士となる主人公の桂介を、繊細に、そして大胆に演じきってくれました。桂介は幼い頃に父親のせいでプロ棋士になれず、挫折します。それは居場所、自己肯定感を奪われる経験でしたが、強い心で再挑戦し、自分の宿命に立ち向かって行きます。その過程の葛藤や心情を惚れ惚れするぐらい丁寧に表現してくれました。

桂介は東明を怨みながらも実は惹かれていくのですが、脚本だけでは上手くいかない要素を見事に演技で成功に導いてくれました。そんな桂介が東明と魂と魂をぶつけ合うシーンは見ものです。男の色気に満ち溢れた、今まで見たことのない坂口さんの新たな代表作が誕生したのではないかと感じています。

■渡辺謙さんについて

賭け将棋で生計を立てる真剣師として伝説的な強さだった東明を、渡辺さんが演じてくれたおかげで、脚本をはるかに超える作品に仕上げてくださいました。人間として最低、将棋指しとしては一流、無頼派だが、業深く刹那的で破滅的なのに、何故か憎めない人間的な魅力に溢れる男を見事に演じるというより、生み出して頂きました。

準備中から、気さくに様々な意見やアイディアを投げかけてくれ、一緒に東明を作り上げて行く過程が、毎日楽しくて仕方なかったです。東明は継承を残す男ですが、私も渡辺さんから映画精神を継承する素敵な経験をさせて頂きました。

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