「エイリアン ロムルス」のフェデ・アルバレス監督が、同作の配信版およびブルーレイ・DVD版の編集で改善した箇所について、英エンパイア誌のインタビューで語った。
同作は、リドリー・スコット監督による1979年の傑作「エイリアン」の“その後”を舞台に、エイリアンの恐怖に遭遇した若者たちの運命を描くSFサバイバルスリラー。2024年に公開され、アメリカをはじめ、中国、イギリス、スペイン、韓国など世界中の国と地域で映画ランキング初登場No.1を獲得。日本では興収約9億8000万円、観客動員数は約62万人を記録した。
配信版などで修正されたのは、アンドロイドのルックのビジュアル。「エイリアン」でアンドロイドのアッシュを演じた故イアン・ホルムさんを模した外見だったが、劇場公開時には「ディープフェイクのような視覚効果だ」と批判の声が上がっていた。
アルバレス監督は「ポストプロダクションの時間が足りなかった。CGっぽいショットがいくつか残っていて、僕は100%満足していなかった。だから、否定的な反応をする人たちを責めるつもりはない」とコメント。「お金と適切な時間をかけて正しく完成させる必要があるとスタジオを説得した。とても良くなった」と修正の経緯と出来栄えを語った。
ホルムさんのビジュアルは、ピーター・ジャクソン監督の「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズで使用されたビルボ・バギンズのアニマトロニクスの頭部と胴体で再現され、それにCGによる加工が施された。修正版では「パペットらしさをより生かした」という。
劇場公開時の米バラエティのインタビューでは、ホルムさんのビジュアルをよみがえらせたのは「ある意味、公平さのため」だとアルバレス監督は説明。「ランス・ヘンリクセンやマイケル・ファスベンダーが何度も登場するのはとても不公平だと思った。そして、イアン・ホルムが戻ってこないのはクレイジーだと感じたんだ」と語っていた。
また、「リドリーと話していて、イアン・ホルムそっくりだけど、アッシュとは違うキャラクターがいたらどうだろうというアイデアを思いついた。どんな技術をもってしても、俳優の才能や演技、ニュアンスを再現することはできない。だから、別のキャラクターをデザインした」とキャラクター設定の裏話も明かした。
「エイリアン ロムルス」はディズニープラスで配信中。