佐藤勝利(「timelesz」)と髙石あかりが主演し、手塚治虫氏の壮大なパラレルラブストーリーを実写ドラマ化する「アポロの歌」が、2月18日からMBS/TBSドラマイズム枠で放送されることがわかった。監督は、「チワワちゃん」「真夜中乙女戦争」の二宮健。あわせて、二宮監督が編集したティザー映像(https://youtu.be/-U8l_jY2w4Y)とティザービジュアルがお披露目された。
幼少期に起きた母親とのトラウマで、愛を憎むようになった大学生・近石昭吾は、愛してもいない女性の家に転がり込んでは金をもらい、生活を続けていた。幼なじみ・渡ひろみとの関係にだけは特別な何かを感じていたが、ある日、ひろみが自らに好意を抱いていることを知り、愛を憎むがゆえに決定的な間違いを犯し、昭吾はひろみを死なせてしまう。行きついた世界で、昭吾は女神にある罰を言い渡される。それは、「何度生まれ変わってもひとりの女性を愛し、結ばれる前に死ぬ」というものだった。逃れられない転生のループと女神の啓示により、昭吾はいくつもの世界をさすらいながら、愛と向き合うことになる。
1970年に週刊少年キング(少年画報社刊)で連載された同名原作は、大きな叙情詩のなかで、手塚氏が真っ向から人間の愛と業を見つめたもの。同時期の「やけっぱちのマリア」とともに、手塚氏の性教育マンガとして話題を呼んだ。後に「ダスト8」「アラバスター」「きりひと讃歌」と並び、人間のダークな部分を掘り下げたノアール作品“黒手塚”とも呼ばれている。手塚氏は、「愛のいくつかのケースについて、それが人間の生き方とどうかかわりがあるかを描きたいと思いました」と言葉を残している。
ドラマ版では、手塚プロダクション監修のもと、現代解釈版の物語として、同作をよみがえらせた。2024年11月から、公式SNSで作品名を伏せた状態で、主演ふたりのビジュアルが3度に渡って投稿されると、雰囲気の違う3枚の写真に「どんな作品か全く読めない!」「ファンタジー系かな? 楽しみ!」など、期待の声が寄せられていた。
舞台「モンスター・コールズ」「Endless SHOCK」、コントライブ「佐藤勝利のすべて」など幅広いジャンルで活躍し、「ViVi国宝級イケメンランキング」24年下半期・NOW部門1位にも選ばれた佐藤は、愛を軽蔑して生きる昭吾を演じる。「企画書の表紙に描かれている手塚治虫先生の絵を一目見て、この世界に入らせてもらえるなんて光栄過ぎる、演じさせていただけたら何より幸せだな、そう思いました」と語る佐藤は、「とても難しい役どころでしたが、共演させていただいた髙石あかりさんと一緒に、人間の愛とは何かというのを見つめながら演じさせていただきました」と、振り返った。
「ベイビーわるきゅーれ」シリーズで注目を浴び、日曜劇場「御上先生」が待機し、25年度後期放送予定のNHK連続テレビ小説「ばけばけ」のヒロインに抜てきされた髙石は、歌手になる夢を見ながらバーで働くひろみ役。昭吾が転生するいずれの世界にも必ず現れ、惹かれ合っていく。「原作を読んだ時、手塚さんの描く幾つもの愛は歪んでいるように見えてとてもピュアなものにも感じられました。二宮監督が本質の部分をより伝わりやすく台本に起こしてくださり、私はいくつもの役を演じるにあたって、まずどの役にもあるこの純粋な気持ちを1番大切にしようと思いました」と、思いを明かした。
ティザー映像の前半は、見つめ合い、ほほ笑み合う昭吾とひろみを活写。しかしやがて、意味深なカットが連続し、砂漠のような場所を歩き、手錠をかけられているかのような昭吾、神殿のような場所、ビルの壁一面に投影されるひろみの映像、傷だらけのふたりなどが切り取られている。
「アポロの歌」は2月18日から、MBSで深夜24時59分、TBSで深夜25時28分から放送され、TVerやMBS動画イズムで無料見逃し配信も予定されている。佐藤、髙石、二宮監督のコメント(全文)は、以下の通り。
■佐藤勝利(近石昭吾役)
企画書の表紙に描かれている手塚治虫先生の絵を一目見て、この世界に入らせてもらえるなんて光栄過ぎる、演じさせていただけたら何より幸せだな、そう思いました。
それから原作を読んでみると、一見複雑な物語に見えましたが、非常にシンプルに一貫して愛を主題にしているなと感じました。僕が演じる近石昭吾は、愛を拒絶して生きている青年です。また、本当の愛を知ってしまうと、その時いる世界とは違う世界に移動してしまう業を背負っています。
とても難しい役どころでしたが、共演させていただいた髙石あかりさんと一緒に、人間の愛とは何かというのを見つめながら演じさせていただきました。今回のドラマでは手塚プロさんのご協力のもと現代解釈版でお届けいたします。愛をテーマにする作品は非常にシンプルですが、手塚先生の独創的な世界観と、二宮監督による現代を切り取る視点によって、愛というものを再発見していただける作品となりました。MBS/TBSドラマイズム「アポロの歌」ぜひご覧ください!
■髙石あかり(渡ひろみ役)
原作を読んだ時、手塚さんの描く幾つもの愛は歪んでいるように見えてとてもピュアなものにも感じられました。二宮監督が本質の部分をより伝わりやすく台本に起こしてくださり、私はいくつもの役を演じるにあたって、まずどの役にもあるこの純粋な気持ちを1番大切にしようと思いました。
持ち込んだアイデアを二宮監督が面白いと膨らませてくださったお陰で、自分の範疇を超えた場所で挑戦し続けられた気がします。この作品を通じて、愛の形も様々で、家族や友人、恋人、表現も人それぞれ。だけど形は違えど確かに同じ愛がそこにはあると学びました。
一人でも欠けてしまえば作ることの出来なかった作品だと思います。この作品に出会えて良かったです。
■二宮健監督
「アポロの歌」は、自分の礎を築いた手塚治虫先生の作品の中でも、特に心を揺さぶられた一作です。
手塚マンガのスターシステムが描く主人公像を繊細で力強く体現してくださった佐藤勝利さん。多大なる情熱と想像力を持って作品の世界を大胆に広げてくださった髙石あかりさん。そして、共に駆け抜けてくれたキャスト、スタッフたち。皆の力が結集し、この作品でしか語ることのできない壮大な愛のドラマが完成しました。愛とは、時に苦悩や不自由を伴いながらも、生命の存在を支える根源的なテーマです。
ぜひご覧ください。