第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門に出品された、レア・セドゥ主演、ベルトラン・ボネロ監督作「La bête(原題)」が、「けものがいる」の邦題で、4月25日から公開される。ポスタービジュアル、予告編、場面写真が披露された。
本作は「SAINT LAURENT サンローラン」「メゾン ある娼館の記憶」などでカンヌ国際映画祭コンペティション部門に選出された実績を持ち、現代のフランス映画界で最も独創性豊かなフィルムメーカーのひとりである鬼才ボネロ監督が、イギリスの文豪ヘンリー・ジェームズの傑作中編小説「密林の獣」を自由かつ大胆に翻案。近未来をクールに映像化した2044年、35ミリフィルムで撮影された1910年、実際の事件にインスパイアされた2014年と、3つのコンセプトの世界観を驚くべき手腕で緻密に構築した。
2044年、AI中心の社会で人間の感情は不必要とされ、有意義な仕事を得るには<感情の消去>をしなければならなかった。孤独な女性ガブリエルは<感情の消去>に疑問を抱きながらも、仕事に就くために浄化を決意する。そして、トラウマとなった前世—1910年、2014年へ遡り、それぞれの時代で青年ルイと出会い惹かれていくが、「何かが起きる」という強い恐れに苛まれる。
主人公ガブリエルを演じたのは、ヨルゴス・ランティモス、ウェス・アンダーソン、グザビエ・ドラン、デビッド・クローネンバーグ、ミア・ハンセン=ラブといった名だたる個性派監督たちから愛され、「007」シリーズや「デューン 砂の惑星PART2」などのハリウッド大作でも知られる国際的スターのレア・セドゥ。また相手役には当初ギャスパー・ウリエルが決定していたが、2022年1月に不慮の事故で急逝したことで、「1917 命をかけた伝令」のジョージ・マッケイにルイ役が託された。
ボネロ監督は時代ごとにまったく異なるルイを見事に演じ分けたマッケイを「天才」と絶賛し、本作をウリエルに捧げている。共同プロデューサーには「マティアス&マキシム」の監督や俳優としても活躍するグザビエ・ドランが名を連ね、声の出演で参加している。
このほど公開された予告編では、AIに管理された2044年のディストピア、華麗でシックな1910年のコスチューム・プレイ、ガラス張りの豪邸で繰り広げられる2014年のスリラー劇、100年以上の時を超えて転生を繰り返す男女の数奇な運命を、スリルとロマンで魅せる本作の見どころが凝縮されている。
4月25日から、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開。