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南米ボリビアの映画集団ウカマウの特集上映が4月開催 ボリビア独立200周年・日本との協働50周年を記念

映画.com 2025年1月22日 14時0分

 1960年代から、先住民の視点に立った映画づくりでジャン=リュック・ゴダールにも影響を与えた南米ボリビアの映画集団・ウカマウ。このほど新作2作を含む全14作の特集上映が4月、開催されることがわかった。

 南米、ボリビアの映画製作集団・ウカマウは、世界に新しい映画の波をもたらしたヌーベルバーグと機を同じくし、白人層に力が集中していたボリビアで、住民の半数以上を占める先住民(アイマラ人やケチュア人ら)に無関係な映画を作ることはできないと考えたホルヘ・サンヒネスらを中心に、1962年に活動を開始。66年に発表した初の長編「ウカマウ」は、変革を求める世界に大きな衝撃を与えた。以降、ホルヘ・サンヒネス監督とウカマウ集団は、アンデス地域の先住民の視点に立った映画を模索し続け、社会の変革を生み出しながら、今もラテンアメリカおよび世界に訴えかける映画製作を続けている。

 映画評論家のジョルジュ・サドゥールは、「ウカマウ」について「スペイン人征服者たちの到来以前からアメリカ大陸に住む人々の中で育まれ制作された、真のラテンアメリカ映画がついに誕生しつつあることを、この注目すべき作品は示している」と語り、ゴダール監督はウカマウによる「コンドルの血」(1969)を「この映画は、人々を行動に動員する要因になりうるものだ」と評している。

 今回はボリビア独立200周年・日本との協働50周年を記念し、ウカマウ集団の2014年以来10年ぶりの特集上映となり、4月の東京開催を皮切りに、全国で展開される。ウカマウ集団は、日本との関わりが深く、今回の特集上映を主宰する日本人スタッフは、1975年に彼らと出会ってから、協働者として映画製作をサポートし続けている。現在、この特集上映を1人でも多くの方に届けるため、宣伝費等を募るクラウドファンディング(https://motion-gallery.net/projects/ukamau)を2025年4月18日23時59分まで実施している。

 東京会場詳細は以下の通り。プログラム、巡回詳細は公式HP(https://www.jca.apc.org/gendai/ukamau/)で告知される。

■東京会場:4月26日(土)~5月23日(金) K's cinema(新宿)
■上映予定作品:「革命」(1962)、「落盤」(1965)、「ウカマウ」(1966)、「コンドルの血」(1969)、「人民の勇気」(1971)、「第一の敵」(1974)、「ここから出ていけ!」(1977)、「ただひとつの拳のごとく」(1983)、「地下の民」(1989)、「鳥の歌」(1995)、「最後の庭の息子たち」(2003)、「叛乱者たち」(2012)、「女性ゲリラ、フアナの闘い ボリビア独立秘史」(2016/初上映)、「30年後 ーふたりのボリビア兵ー」(2022/初上映)全14作品

■初上映作
「女性ゲリラ、フアナの闘い ボリビア独立秘史」
原題: Guerrillera de la Patria Grande, Juana Azurduy|2016年|103分|製作:ウカマウ集団|監督:ホルヘ・サンヒネス|音楽:セルヒオ・プルデンシオ|出演:メルセデス・ピティ・カンポス、クリスティアン・メルカード、フェルナンド・アルセ

「30年後 ふたりのボリビア兵」
原題:Los Viejos Soldados|2022年|110分|製作:ウカマウ集団|監督:ホルヘ・サンヒネス|音楽:セルヒオ・プルデンシオ|出演:クリスティアン・メルカード、ロベルト・チョケワンカ

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