俳優の佐藤浩市と天海祐希が、吉永小百合の通算124本目の映画出演作「てっぺんの向こうにあなたがいる」(阪本順治監督)に出演していることがわかった。佐藤は「北の桜守」以来7年ぶり、天海は「最高の人生の見つけ方」以来6年ぶりに吉永と共演する。
「てっぺんの向こうにあなたがいる」は、76カ国の最高峰・最高地点の登頂を成功させた田部井淳子さんの実話をもとに、“挑戦”に生涯を捧げた女性山岳家を壮大なスケールで描く。吉永は主人公の多部純子に息吹を注ぎ、佐藤は純子と共に山に登り献身的に寄り添う夫・多部正明、天海は純子の山仲間で親友の編集者・北山悦子に扮する。
田部井さんは、“女性だけで海外遠征を”を合言葉に女子登攀クラブを設立し、1975年にエベレスト日本女子登山隊の副隊長兼登攀隊長として世界最高峰のエベレストに女性として世界初登頂に成功した人物。この日本を代表する偉大な女性登山家の実話をもとに、エベレスト女性初登頂から晩年の闘病、余命宣告を受けながら亡くなる直前まで山に登り続けた勇壮な生涯に迫る。
昨年8月18日にクランクインし、11月下旬にオールアップ。佐藤は「ここ一番という時には映画の神様が雲海を晴らしてくれました」と登山シーンに挑んだ富士山ロケを振り返る。吉永の盟友を演じた天海は、「吉永さんが両手を広げて受け止めてくださる方なので、私は本当に好きにやらせていただきました。こんなに慕う役でご一緒させていただけて嬉しかったです」と再共演を喜んだ。
一方の吉永も、「浩市さんとは二度目、天海さんとは三度目の共演です。いつか又と願っていたことが実現するなんて本当に幸せなことです。一本調子になってしまいそうな私の演技をビシッと支えて下さいました。感謝の思いでいっぱいです。お父さん、悦ちゃん、ありがとう!ありがとう!」とコメントを寄せている。
ふたりの出演発表に合わせて、吉永が撮入前に田部井さんゆかりの茶臼岳などに登って高所順応を行い、万全の態勢で臨んだ佐藤との山での撮影や、天海と野外キャンプに興じる撮影時のメイキング映像が初披露された。映画は、今秋に全国で公開。
佐藤、天海、吉永のコメント全文は以下の通り。
■佐藤浩市
田部井淳子さんと政伸さんのリアルな関係性とは違うかもしれないけど、自分を隣に置きながら、淳子さんの大きさみたいなものをどうやったら一番愛せるか、その想いが観る方々に伝えられるか、というのを考えることがリアルの政伸さんと近い部分であったのかなと思います。
また、まさか自分がこの世界に入るときに吉永小百合さんのお相手(夫役)をするなんてことは考えてもいませんでした。お話を頂いたときは、夫婦として自然に見てもらえるだろうか、伝わってくれるだろうかと感じましたが、撮影を終えた今、先入観がない方でしたら本当に自然に観ていただけるような、そういう夫婦にはなれたかなという気がするので、本当に吉永さんに感謝です。
4、5日間、富士の五合目・七合目で撮影をさせて頂いたのは凄い経験だったなと思います。シーンとしてのラストの撮影では、いい感じの夫婦の姿が撮れましたし、ここ一番って時には映画の神様があの雲海を晴らしてくれました。
■天海祐希
(実在の田部井さんと北村さんをモデルとした)二人にしか分からない心が通じ合っているもの。他の、ご主人とは違う、お子さんとは違う、そして仲間たちともまたちょっと違う、純子さんと悦子さんにしかなかったような何かがあったんじゃないかな。ちょっとそんなものも滲み出るといいなと思いました。
吉永さんが両手を広げて全て受け止めてくださる方なので、私はもう本当に好きにやらせて頂きました。悦子さんが純子さんを慕っていた気持ちの形っていうのかな? それはなにか、私が小百合さんを想う気持ちの形にとても似ている気がして…ちょっとなんか分かるかな、なんて。でもやっぱり極限の場所に行って極限の経験をして生死をも分け合うような経験を実際にされている二人ですから、そこまでは深く理解出来なかったかな、とは思いますけど。でもかっこいい、軽く言えない女の友情という感じでした。
なにより阪本監督とお仕事させて頂ける、小百合さんとご一緒させて頂ける事というのはとても有難いことですから。幸せなことですし、声かけて頂けるって。(それだけでも有難いのに)こんなに慕う役を頂けてとても嬉しかったです。
■吉永小百合
浩市さんとは二度目、天海さんとは三度目の共演です。いつか又と願っていたことが実現するなんて本当に幸せなことです。一本調子になってしまいそうな私の演技をビシッと支えて下さいました。感謝の思いでいっぱいです。お父さん、悦ちゃん、ありがとう!ありがとう!