20世紀を代表する芸術家のひとりであるマン・レイの短編映像作品4本を用い、ジム・ジャームッシュ監督が自身の音楽ユニット、スクワール(SQÜRL)として参加した映像作品「RETURN TO REASON リターン・トゥ・リーズン」の新規場面写真14点、尾崎世界観(クリープハイプ)からのコメント、ジャームッシュ監督から日本の観客に向けてのメッセージが公開された。
ジャームッシュは15年ほど前からサイレント映画に音楽をつけたいと考え、マン・レイの短編映像作品にスクワールの音楽を合わせたライブを2017年から開始。パリのポンピドゥー・センターや、ロンドンのクイーン・エリザベス・ホールなどでも公演を果たし、そのプロジェクトの頂点として、マン・レイが初めて映画製作に着手してから100周年にあたる2023年に4Kレストア版として本作がカンヌ国際映画祭クラシック部門でプレミア上映された。
スクワール(SQÜRL)は、ジャームッシュ監督と「パターソン」「デッド・ドント・ダイ」ほか近年のジャームッシュ作品のプロデューサーであるカーター・ローガンによる、2人の音楽ユニットだ。
ジャームッシュ監督の大ファンだと公言している尾崎世界観(クリープハイプ)は、「音のような映像と、映像のような音。二つが溶け合い、言葉だけが弾かれていく。そして、ボヤけた輪郭の奥にうっすら見えるものを、また音がかき消す。エンドロールの静寂に耳が震える。これはもうライブだと思う」とミュージシャンの視点で作品の世界観を熱く語る。
ジャームッシュ監督は日本の観客に向け「今世界は、想像力や想像力がもたらすパワーを理解することがとても重要な時期にあります。このマン・レイの映画を観ることは、芸術家たちの不思議な想像を敬い、そして自分自身も想像の旅に出ることができる美しい手段です。ぜひ、マン・レイの映画とSQÜRLの音楽の世界を体験してみてください」と呼びかけている。映画は全国で公開中。