劇場アニメ「イノセンス」の公開20周年を記念して、同作の4Kリマスター版が劇場初公開されることが決定した。「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」4Kリマスター版も同時公開され、2月28日からTOHOシネマズ日比谷ほかTOHOシネマズの一部劇場で2週間限定で上映される。
両作は、押井守監督が士郎正宗氏による漫画「攻殻機動隊」を原作にアニメ映画化。「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」は、サイバーテロなどに対抗するため結成された超法規特殊部隊「公安9課」の草薙素子らの活躍が描かれた。「マトリックス」のラナ&リリー・ウォシャウスキー監督などハリウッドにも影響を与え、スカーレット・ヨハンソン主演のハリウッド映画「ゴースト・イン・ザ・シェル」が2017年に公開。1995年の劇場公開から今年で30周年をむかえる同作は、21年の4Kリマスター版の日米同時公開以来の劇場上映となる。
続編「イノセンス」は、「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」から3年後が舞台。公安9課のバトーが、少女型アンドロイドによる謎の暴走事件を相棒のトグサと捜査する。日本のアニメーションとして初めて第57回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に選出され、現時点も唯一の作品となっている。04年の劇場公開から昨年で20周年をむかえ、今回の上映は企画上映などをのぞき20年ぶりのロードショー公開となる。
押井監督からのコメント全文は以下の通り。
【押井守(監督)】
今回「イノセンス」の4Kリマスター版を公開するにあたって、20 年ぶり…もしかするとスクリーンで初めて、通して観たかもしれません。とても綺麗で美しく仕上がっていて良かったです。
当時は、何年もかかって手描きやCGで仕上げた画を細かなディテールまで映像で再現できなかった。ですが今回、高解像度のデジタルスキャンをしたことで、画の精度が格段に上がったと思います。4K の威力を確かに感じました。それで当時のことを思い出しましたが、当時は病んでたなと(笑)。「イノセンス」が完成した後、2ヶ月くらい寝込んで立てなかったんですが、この作品にはその病んでるエネルギーが入っていました。美しいものを作るためには、何かを乗り越えないといけない。改めて観て、この作品から情念というのか退廃的な魅力を感じました。
皆さんにもぜひ劇場でご覧いただきたいです。