浅野忠信が伝説の天才写真家・深瀬昌久を演じる映画「レイブンズ」。瀧内公美が演じ、のちに妻となる洋子との初デート<恋する浅野忠信>(https://youtu.be/xvic8v8tnDc)、父(古館寛治)と殴り合いの親子喧嘩の<怒る浅野忠信>(https://youtu.be/r92-ciSM_vk)、泥酔し妻洋子にキレられる<ダメ夫な浅野忠信>(https://youtu.be/UoIuK9fBaaM)、洋子に去られ傷心の旅路の<孤独な浅野忠信>(https://youtu.be/AcVGFqwMvb0)、名作「鴉」を撮った瞬間の<尊い浅野忠信>(https://youtu.be/Ubi4k9WS0qc)という5本の本編動画と、深瀬昌久作品2点が公開された。
本作は、実在した写真家、深瀬昌久の実話に着想を得て制作されたフランス、日本、ベルギー、スペイン合作映画。写真家深瀬と妻洋子の波乱万丈の50年愛を、実話とフィクションを織り交ぜて大胆に描いたダークでシュールなラブストーリーだ。監督、脚本は「イングランド・イズ・マイン モリッシー、はじまりの物語」などで知られ、写真家、ミュージシャン、グラフィックデザイナーとしてのキャリアを持つイギリス人監督マーク・ギル。
妻・洋子を瀧内公美、古舘寛治が深瀬の父親の深瀬助造、池松壮亮が写真家・深瀬昌久の助手正田、高岡早紀が深瀬の行きつけの新宿ゴールデン街のバー「南海(なみ)」の店主を演じる。闇を抱えていた深瀬。それは異形の”鴉の化身”として転生し、哲学的な知性で翻弄する。闇堕ちから深瀬を守ろうとする妻・洋子――ふたりのダークでシュールなラブストーリーが展開する。
このほど公開された動画<恋する浅野忠信>編では、1963年、初々しい初デートの場面が切り取られている。洋子の笑顔が、深瀬の緊張を解く。 深瀬 「とてもきれいだ」洋子「もちろんよ」深瀬 「他の娘(こ)たちと全然違う」 洋子 「みんなと同じがいい人なんている?」と今後の関係を予感させる会話が繰り広げられる。
<怒る浅野忠信>編は、父助造(古舘寛治)と親子喧嘩 深瀬「俺を見ろ。酔っぱらいで負け犬だ。この家の伝統だろ」助造は深瀬に猛進していき思い切り顔を殴り、深瀬も不意の攻撃に助造の顔を殴り返すという戦慄のシーンだ。
<ダメ夫な浅野忠信>編は、泥酔の深瀬を映したシーンだ。ウイスキーやビールの空瓶などが溢れた居間の椅子で気を失っている深瀬。髪はベタベタで髭のところどころに吐瀉物が付着している。深瀬は洋子の写真を撮るが、洋子はカメラを深瀬の手から奪い取る――。
<孤独な浅野忠信>編は、洋子に去られ傷心の旅。港で寂寥感を抱く深瀬を切り取った。
そして、<尊い浅野忠信>編では、名作「鴉」誕生の瞬間が映し出されている。
深瀬昌久作品は「鴉」2点で、記憶に残る名作である本シリーズは、深瀬が妻との別離を起因とした悲しみに暮れながら故郷に向かった旅を出発点とし、1976年か1986年にかけて撮影された。北海道の海岸沿いの景色を背景に、深瀬はどこか寂寥の気配を漂わせる鴉の群れを幽玄な写真に収めている。
▼浅野忠信コメント
(ギル監督について)とても優しい方でした。僕だけではなくて、スタッフみんなに対して尊敬の念を持って接してくれていたので、とてもやりやすかったです。役のことだけでなく、全然関係ない音楽の話や日本、イギリスのこと、いろんなことを話しました。僕もちょっと英語もまだままならないことがありますが、それでも諦めずにずっと話しかけてくれた、そういう中で監督の深瀬に対する思いを汲み取ることができたので、本当に役にとってものすごく大きいことでした。
他の国の人と仕事をするときに、言語がわからない中で、僕のやっていることがちゃんと通じた、これは勝ちだなと思うんです。
ありがたいことに、監督がその都度感じてくれて、そのことを僕にも話をしてくれていたので、そういう意味では、本当に手応えがありました。
(深瀬父子の関係について)やはり父からの影響は大きかったように思いました。父とは違う自分を見つける中で父に認められることも望んで結局はとても大きな支えになっていたように思いました。
映画は3月28日からTOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館、ユーロスペースほか全国公開。