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アメリカ大陸初のマンガの展覧会が開催決定 荒木飛呂彦、尾田栄一郎、高橋留美子らの原画を700点超展示

映画.com 2025年1月30日 14時0分

 米サンフランシスコのデ・ヤング美術館で、アメリカ大陸初となる“マンガ”の展覧会「Art of MANGA」展が2025年9月27日~26年1月25日に開催される。日本の出版社やプロダクションの協力のもと、現代日本を代表する漫画家として、荒木飛呂彦氏、尾田栄一郎氏、高橋留美子氏、田亀源五郎氏、谷口ジロー氏、ヤマザキマリ氏、山下和美氏、よしながふみ氏の原画が700点以上展示され、日本を象徴する芸術である“マンガ”を総合的に探求する展覧会となる。

 デジタル配信網による同時配信の普及や、2019年にイギリス大英博物館で行われた「MANGA」展の成功など、日本の漫画文化は世界のあらゆる場所で人気と注目が高まり続けている。しかしアメリカ大陸では、コミコン等でのごく小規模な展示にとどまり、総合的なアートとして漫画を取り上げた展覧会は開催されたことがなかった。

 そんななか、デ・ヤング美術館は“マンガ”という独自の芸術形式にアメリカ大陸の美術館として初めて焦点を当てる。「Art of MANGA」展は、「個別作家セレクション」として、人気漫画家8人(荒木氏、尾田氏、高橋氏、田亀氏、谷口氏、ヤマザキ氏、山下氏、よしなが氏)の700点を超える原画を展示。その多くがアメリカ初公開となる。

 さらに、「導入コーナー」では赤塚不二夫さん、ちばてつやさんにスポット当て、「集英社マンガアートヘリテージ」セクションとして田名網敬一さんの作品も紹介する。

 各作家の展示予定作品、同展の開催にあたっての関係者のコメントは以下の通り。

 【各作家の展示予定作品】

▽赤塚不二夫
導入コーナーでの展示予定作品:「ギャグほどステキな商売はない」(廣済堂出版) 、「おそ松くん イヤミの水戸黄門:そのころの江戸はこうだった!!」「ギャグ+ギャグ もーれつア太郎外伝:サイケサイケビーチにて」(小学館)、「天才バカボン:ねむれないのだ夢の中」(講談社)

▽荒木飛呂彦
展示予定作品:「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズ、「岸辺露伴は動かない」(集英社)

▽尾田栄一郎
展示予定作品:「ONE PIECE」(集英社)

▽高橋留美子
展示予定作品:「MAO」「人魚」シリーズ、「犬夜叉」「境界の RINNE」「らんま 1/2」(小学館)

▽田亀源五郎
展示予定作品:「弟の夫」「僕らの色彩」「魚と水」(双葉社)、オリジナルイラスト

▽田名網敬一
「集英社マンガアートヘリテージ」セクションでの展示予定作品:「TANAAMI!! AKATSUKA!!」シリーズ

▽谷口ジロー
展示予定作品:「孤独のグルメ」(原作:久住昌之/扶桑社)、「ふらり。」「地球氷解事紀」(講談社)、「遥かな町へ」(小学館)、「ヴェネツィア」

▽ちばてつや
導入コーナーでの展示予定作品:「あしたのジョー」(原作:高森朝雄)、「あした天気になあれ」(講談社)、「ひねもすのたり日記」(小学館)

▽ヤマザキマリ
展示予定作品:「プリニウス」(とり・みき共著/新潮社)、「テルマエ・ロマエ」(KADOKAWA)、「続テルマエ・ロマエ」(集英社)、「スティーブ・ジョブズ」(講談社)、「美術館のパルミラ」

▽山下和美
展示予定作品:「ランド」「不思議な少年」(講談社)、「数寄です!」「続 数寄です!」「世田谷イチ古い洋館の家主になる」(集英社)

▽よしながふみ
展示予定作品:「きのう何食べた?」(講談社)、「大奥」「フラワー・オブ・ライフ」(白泉社)、「環と周」(集英社)

【「Art of MANGA」展 関係者コメント】

■トーマス・P・キャンベル(カリフォルニア州最大の公立芸術機関「ファイン・アーツ・ミュージアム・オブ・サンフランシスコ」ディレクター兼CEO)

画像によるダイナミックな物語表現であり、世界中で何百万人もの読者を魅了するマンガは、現代のもっとも重要なビジュアルメディアのひとつです。サンフランンシスコは長い間、米国における日本との文化交流の入り口であり続けてきました。その場所で「Art of MANGA」展を開催し、マンガというナラティヴアートの芸術性とパワーを紹介しつつ、その伝統を讃えることができ、うれしく思います。

■ニコル・クーリッジ・ルマニエール(イースト・アングリア大学(イギリス・ノリッジ)セインズベリー日本藝術研究所長/「Art of MANGA」展企画キュレーター)

物語の表現が、文字から画像へとどんどん移行しているのがこの時代の現実です。文字よりもイメージと描線でストーリーを語るマンガは、読者に直感的に内容を理解させ、世界中の人と共に作品を楽しむことを可能にさせます。登場人物とその行方に熱中する読者たちから寄せられるファンレターや SNS コメントを参考に、作家と出版社は、進行中のストーリーを変えたり、新たな漫画を創作したりもする。それこそが、文化の大いなる変革の先駆けというものです。

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