2024年に第1作公開から55周年を迎えた「男はつらいよ」シリーズは、累計観客動員8000万人という国民的映画シリーズとして多くの人に親しまれてきた。56年目に突入するなか、故渥美清さん演じる“寅さん”を愛する各界の著名人からの応援コメントを、配給の松竹が発表した。
1969(昭和44)年8月27日に全国で封切られ、人々を笑いと涙で包み込んだ「男はつらいよ」。のちに「一人の俳優が演じたもっとも長い映画シリーズ」としてギネスブックにも認定された。また、令和元年には50周年を迎え、それまでの全49作が4Kデジタル修復されたほか、第50作「男はつらいよ お帰り 寅さん」が製作されたことは記憶に新しい。
応援コメントは、以下の通り(順不同)。
■立川志らく(落語家)
「男はつらいよ」の人情と寅さんの言葉を理解出来なくなった時が、日本人が日本人でなくなる時だと思っている。「男はつらいよ」は日本の宝であり、日本人が一番大切にしないといけない映画なのです。
■森三中・大島美幸(お笑い芸人)
第1作目が特に好きです。55周年、おめでとうございます!! 【男はつらいよ】のタイトルがとても格好良くて、そのあと青空の下にいる寅さんの映像が鳥肌が立ちます。オーラが半端ないです!第1作目でこの完成度!寅さんのしぐさや、表情、すべての行動が愛らしく、計算し尽くされているのに、とても自然。何度見ても笑ってしまいます。
泣き笑いの原点。いつまでも私の目標は「男はつらいよ」です!これからも老若男女、沢山の方に見ていただけますように。日本の宝です!これからもずっと大好きです!
■錦織一清(俳優・舞台演出家)
自分の事よりいつも誰かの幸せを願い、親身になり心を痛める。そんな寅さんは義理人情に生きる日本人の中の、本当のヒーローです。
私が好きな、第17作目「寅次郎夕焼け小焼け」の寅さんは、優しさ正義感、思いやりに溢れています。そして兵庫県龍野でのラストシーンに、涙は止まらないのです。
■小島よしお(タレント)
寅さん唯一の海外地はオーストリアの「うぃ〜」ン!「困ったことがあったらな 風に向かって俺の名前を呼べおじさん どっからでも飛んできてやるから」そんな事を子供達に言える寅さんのようなカッコいいおじさんになりたいです!ゴーゴーおっぱっぴー!
■宮藤官九郎(脚本家)
僕は満男の一コ下(70年生まれ)なので、決して寅さん世代ではありません。親が喜ぶものに子供は背を向けたくなるもので、成人してから、もっぱら後追いでビデオ鑑賞。本当の面白さが理解できたのは、恥ずかしながら自分がお父さん世代になってから公開された、22年ぶりの最新作『お帰り寅さん』かも知れません。完璧な喜劇構造を更新し続けた山田監督の偉大さを見せつけられました。
例えば「メロン騒動」というタイトルでYouTubeにもあがっている「寅次郎相合い傘」の名場面。自分のぶんのメロンが用意されてないことを知り、長い沈黙のあとに放たれる「わけを聞こうじゃねえかよ」の破壊力。分かってても笑い声がもれる。あの瞬間、寅さんが何を言ったとしても笑えるのだろうけど、最も相応しい台詞は「わけを聞こうじゃねえかよ」しかないんだよなぁ。そういう感覚を観客と共有できるのはシリーズものの醍醐味だと思います。これが国民的喜劇ってもんですよね。はいっ!僕も頑張ります!
■吉田類(酒場詩人)
「寅さんは、類さんとも重なるんですよ」。ひと昔以上も前に頂いた言葉だ。もったいなくて心の底の涙箱に仕舞ってある。旅先でロケ地に行き当たればジンとくる。リリーさんとの別れが切ない「寅次郎相合い傘」(シリーズ第15作)は大好きな一作。
■出川哲朗(タレント)
撮影の合間、寅さんと会話させて頂いた事が本当に有り難く、貴重な時間でした。そのお言葉は、その後の僕の芸能生活の支えになりました。寅さんは、僕の中で今でも元気です!
■小林幸子(歌手)
私の両親も「男はつらいよ」が大好きで、一緒にたくさんの作品を観て参りました。そしてある時、第47作「男はつらいよ 拝啓車寅次郎様」の出演を知らされました。これまでドラマや舞台なども出演させていただきましたが、その時の驚きと嬉しさは別格の喜びと感動でした。親孝行がまた出来たなぁと、しみじみと思ったものです。
撮影初日に緊張して渥美さんにご挨拶に伺った時です。「よっ!」と、笑顔で手を振ってくれた姿はスクリーンのままの寅さんで、しばらく見惚れてしまったのを今でも鮮明に覚えています。この経験は私の歌手人生でかけがえのない宝物となりました。日本映画の宝でもあるこのシリーズが、この先も日本人の心として末永く受け継がれてゆくことを心より願っています。
■山崎貴(映画監督)
調子に乗った寅さんが「言うぞ言うぞ」というタイミングで思った通りの事を言って笑わせてくれるのが好きでした。そして大人になっても人間というものは寂しさを抱えて生きていくんだということを教えてくれたのも寅さんでした。
■三浦知良(プロサッカー選手)
どんなひとにも分けへだてなく愛で包み込む寅さんが大好きです。