アカデミー賞受賞俳優キー・ホイ・クァンが、ハリウッド黄金期から続く伝統の栄誉を手にした。2月3日、映画の殿堂として知られるTCLチャイニーズシアターでの手形セレモニーで、クァンは自身の手形と署名を歴史に刻んだ。この特別な日を祝うため、1985年の青春冒険映画「グーニーズ」の共演者たちが40年ぶりに集結した。
式典には、現在ハリウッドを代表する実力派俳優ジョシュ・ブローリンをはじめ、ジェフ・コーエン、ケリー・グリーン、コリー・フェルドマンら「グーニーズ」の仲間たち、そして作品の脚本を手がけたクリス・コロンバスが参列。ブローリンは、ベトナムから渡米し、数々の困難を乗り越えて頂点に立ったクァンの半生を「アメリカンドリームの化身」と表現し、賛辞を贈った。
ベトナム・サイゴン(現ホーチミン)出身のクァンは、スティーブン・スピルバーグ監督の「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」(1984)でデビュー。続く「グーニーズ」でデータ役を演じ、80年代を代表する子役スターとなった。しかし、アジア系俳優の機会が限られていた時代、第一線から離れることを余儀なくされる。その後、約30年の時を経て、2022年の「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」で輝かしい復帰を果たし、アカデミー賞助演男優賞という栄誉を手にした。
式典後、感極まった様子のクァンは「『グーニーズ』は人生最高の冒険の一つ。あのキャラクターに戻って、仲間たちと新しい冒険ができたら最高です」と、作品への深い愛着を語った。
そして今、クァンは新たなキャリアの転換点を迎えようとしている。2月7日に全米公開される主演作「Love Hurts(原題)」は、「ジョン・ウィック」シリーズで世界的評価を確立した87North Productionsによる意欲作だ。監督は「ジョン・ウィック」シリーズでスタントコーディネーターとして手腕を発揮したジョナサン・ユセビオが務め、「アベンジャーズ」シリーズなど数々の大作で実績を積んだ実力者による初監督作品として、業界から注目を集めている。