まるで“映画のような製作経緯”が話題となった舞台を映画化した「劇場版 米寿の伝言」が、5月10日に公開されることが決定。あわせて、キービジュアルと予告編も披露された。
本作の製作経緯は、驚くべきものとなっている。さかのぼること、2018年。中心となるのは、埼玉県・和光市に住む「西本家」だ。蜷川幸雄のもとで子役デビューし、 以後舞台を中心に活躍を続ける俳優・西本健太朗。兄の背中を置いながら、数多くの映画やドラマに出演する俳優・西本銀二郎。孫兄弟の活躍を見た祖父・匡克は、昔、俳優を諦めた過去の自分を思い出していた。
それを知った娘・浩子は「おじいちゃんを舞台に立たせてあげよう!」と“81歳の素人主演”で舞台制作を決意したのだ。
俳優である孫2人とともに、81歳の素人主演で行った舞台「米寿の伝言」は、大阪(2018年)では追加公演を行い約600人を動員し、東京(2019年)でも1000人超を動員。完売回が続出するほど好評を博した。
舞台から3年。コロナ渦で元気のなかったおじいちゃんをもう一度輝かせてあげたい。西本家は最後にもう一度立ち上がる。「『米寿の伝言』を映画化しよう!85歳の素人主演で映画制作を決意!」。同企画は、クラウドファンディングなどにより500万円が支援されることに。こうして、舞台での脚本を基にした“死んだ祖父と孫の中身が入れ替わる”家族の奮闘と絆を描いた“主演・85歳の素人おじいちゃん”によるハートフルコメディが“映画化”することになったのだ。
まるで映画のような製作経緯が話題となり、「激レアさんを連れてきた。」(※2024年9月30日O.A./テレビ朝日)にも登場するなど、すでに多くのメディアに取り上げられている「劇場版 米寿の伝言」は、「ブルックリンサイファイフィルムフェスティバル2024」にて最優秀長編賞など、国内外にて多数の受賞が続いている。
変わり者の発明家である祖父・米蔵(西本匡克)が、米寿を目前に他界。孫兄弟のキョウヘイとキッペイは祖父の遺品である「発明品」を整理していた。すると……発明品が誤作動! 棺桶の中の祖父と弟の中身が入れ替わった!? 米蔵との再会に喜ぶのも束の間、発明品は故障し元に戻せなくなってしまった。果たして兄は、弟を救えるのか? そして祖父との2度目のお別れの行方は――?
キャストには、主演・西本匡克の実孫である西本健太朗(「ポプラン」)、西本銀二郎(ドラマ「3年A組 今から皆さんは、人質です」)をはじめ、長谷川かすみ、山田姫奈、中川パラダイス、浜野謙太といった面々がコミカルに脇を固めている。監督・脚本を務めるのは、舞台やドラマなど多くのキャリアを重ねてきたガクカワサキが初長編映画を手がけ、笑って泣ける傑作コメディに仕上げた。
「劇場版 米寿の伝言」は、5月10日より池袋シネマ・ロサほか全国順次公開。公開中の5月15日には、主演の西本匡克が実際に米寿(88歳)を迎える。