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音楽劇初挑戦の池内博之に独占インタビュー! 「イヤだと思ったらそれはやるべきこと」

Entame Plex 2014年7月26日 10時20分

テレビドラマやCM、映画などで一度みたら忘れられない彫りの深い顔立ちとするどい眼差し。そんな俳優:池内博之はさまざまなメディアで活躍の場を広げ、2006年には映画監督にも挑戦している。しかしチャレンジ精神旺盛な彼がまだ挑んでいないものがある。それは“歌”。

梅雨明けの7月24日、東京・渋谷の新国立劇場にて舞台『三文オペラ』の制作発表会が行われた。この発表会には主演の池内博之をはじめ、ヒロイン役を演じるNYから帰国したソニン、ミュージカル界や演劇界でも第一線で活躍する実力派の島田歌穂や山路和弘、その他共演者の石井一孝、大塚千弘、あめくみちこ、演出の宮田慶子、翻訳の谷川道子、音楽を担当する島健が登壇した。この舞台はいわずと知れた音楽劇。池内は自身初となる“生歌”を舞台の上で披露することになる。



「僕、譜面も読めないんですよ。だからこの話をもらった時、げげっ、どうしようと思って……」と当時の心境をふりかえる池内。その不安からほかの出演者よりも1ヶ月はやく歌の練習をはじめたという。それを聞いて「僕なんか、いまもぜんぜん(歌を)覚えられないんだよなあ」と感慨深げにつぶやくのは先日、還暦をむかえた山路和弘。スピーディで「まるでラップのよう」(演出・宮田慶子談)な歌の数々には、演劇界の重鎮も手を焼いているようだ。

舞台は19世紀のロンドン。池内演じる色男メッキースが乞食たちの総元締めの娘ポリー(ソニン)に取り入り2人は結婚式を挙げることに。怒った父親のピーチャム(山路和弘)が警視総監にメッキースの逮捕を要求し……。貧民街を舞台に人間の愚かさ、嫉妬や裏切りなどコミカルに、時にはシニカルに描いてゆく物語、それが『三文オペラ』だ。かつて名優たちが演じてきたベルトルト・ブレヒト原作の世界的古典劇の主人公を池内がどのように演じるのか。制作発表会終了後、その意気込みをエンタメプレックスが独占取材した。

――ロンドン一の色男であり大泥棒でもあるメッキースを演じることになったわけですが、彼と自分の共通点はありますか?
「どん底から登りつめてやろう、ってところはシンパシーを感じますね。彼の金にうるさい部分ですが…うーん、ここはちょっと。あんまりお金に執着ないんで。女?! いやその話題はやめましょう(笑)」

――ヒロイン役のソニンさんとは初共演ということですが、印象はどうですか?
「かわいらしいって思います。それに歌もすごくうまい。デュエットするシーンがあるんですけど、僕が下のパートを歌わなきゃいけないのに、見とれてソニンさんの上のパートを歌ってしまったり(笑)」

――舞台で歌を歌うことが初挑戦とのことですが、苦労したことなどはありましたか?
「今回求めているのは歌をキレイに歌うことじゃないと言われました。上手に歌うというよりは、その歌詞の内容とパッションをいかに客席に伝えられるかが大事だと。うまくなくていいっていうのは正直ホッとしたんですが……、とはいえどの音階から歌に入っていくのか、とか完全には音を無視できないですもんね。そのあたりのバランスが難しかったです」

――新しいことにチャレンジするってエネルギーを使うと思うんです。池内さんがそのモチベーションを保つために心がけていることはありますか?
「イヤだな、やりたくないなと思うことほどやらなきゃいけないと思うんです。それはどんな職業でもそうなんでしょうけど。やってみてイヤさを超えるたびに発見があって、成長ができるんじゃないかと。音楽劇もオーラスをむかえたら“またやりたい!もっと歌を学びたい!”っていい出すかもしれませんね」

――最後に、池内さんから見た今回の『三文オペラ』の見どころを教えてください。
「人間って良心的な部分を持ちながら、裏ではしたたかさだったり汚い部分もあって。この物語はそんな登場人物たちのハッキリとした欲望が、ひとりひとり活き活きと描かれています。みんなが主役なんです。舞台を見た方は、きっと“ああ、欲望っていうのは生きるためのひとつのエッセンスなんだ”って感じることができるんじゃないかと思います」

舞台『三文オペラ』は9月10日(水)から9月28日(日)まで、東京・新国立劇場 中劇場にて公開予定。

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