「お帰りなさい! ご主人さま!お嬢さま!」
メイドのコスチュームに身をつつんだ少女たちが迎えてくれるメイドカフェ。行ったことはないけれど知っているという人も多いだろう。
メイドカフェは2001年ごろ、サブカルチャーの聖地・秋葉原に誕生したと言われている。スタイルもメイド服を着ているウェイトレスがいる以外は普通の喫茶店というものから、より積極的に接客を行うタイプまで様々だ。
そんなメイドカフェについて“最近、あんまり聞かなくなったよね”という声もある。果たして今、メイドカフェ文化はどうなっているのだろう?
8月16、17日の2DAYSにわたって秋葉原PARMSで開催された秋葉原の老舗メイドカフェ『@ほぉ~むカフェ』10周年ライブイベント「@home cafe Memorial Live〜メイドルヒストリー〜」にうかがって話を聞いてきた。
今回答えてくれたのは『@ほぉ~むカフェ』の現役メイド、hitomiさん、みづきんさん、ぽんさん、3人の人気メイドたち。『@ほぉ~むカフェ』は、同店の『完全メイド宣言』というメイドユニットが“萌え~”という言葉でユーキャン新語・流行語大賞2005トップ10入りを果たすなど、このカルチャーを牽引してきたパイオニア的な存在だ。長い間、秋葉原のメイドカフェに身をおき、メインストリームを見続けてきた彼女たちに現状を聞いた。
「秋葉原がグローバルな場所に変わった」と答えたのはみづきんさん。
——まずは、いまと昔で秋葉原はどう変わりました?
みづきん「秋葉原という街は、コアな趣味の人が集まる場所ということで、以前はそんなにオープンな場所ではなかったと思います。でも、最近は若いカジュアルな人が増えました。あと、東京オリンピックの開催が決まってからは、目に見えて海外の方も多く訪れるようになったと思いますね」
hitomi「『@ほぉ~むカフェ』にご帰宅(来店)されるご主人さま・お嬢さま(お客さま)も様々で、アジアの方から欧米の方まで幅広いです」
「クール・ジャパン」の一角でもある、日本発のサブカル文化を求めて来店する外国人も多く、そういった状況をふまえて現在同店では、外国人の方への接客力向上のため、メイド向けに独自に英会話教室も行っているそうだ。
——“メイドカフェのピークは2005年ごろ”という意見もあります。現在、メイドカフェの数はどう変化していると思いますか?
みづきん「メイドカフェが一般的に知られて、数が増えたのは2004~2006年ごろだったと思います。なんとなく流行に乗って始めたお店はうまくいかなかった、という話は耳にしますね。とはいえ、老舗や多店舗経営しているお店は生き残っています。カフェ以外の業態を含めると、メイド関連のお店はまだまだ50店舗くらいはあるんじゃないでしょうか。メイドカフェも店舗形態がどんどん変化している気がします」
——どのような形態に変化したのでしょう?
hitomi「アイドル劇場という形態を取り入れたメイドカフェは確実に増えました。店内にステージを用意して、ご主人さま・お嬢さまがアイドルを育成する、といった感じで」
——では、客層に変化はありますか?
みづきん「先ほどお話ししたように、外国の方もそうですし、いわゆる皆さんが想像するような“オタク”という感じよりはアイドル好きの学生さんが多いですね。あとは、意外かもしれませんが女性の方も結構いらっしゃいます」
hitomi「もともと『@ほぉ~むカフェ』の常連のお嬢さまで、そのままメイドになるというパターンも多いですね」
この日のライブイベントでは彼女たちもステージ上で歌とダンスを披露。会場は後ろまで目一杯、数多くのご主人さま・お嬢さまがつめかけた。ロックライブのように手を突き上げるファッショナブルな若い男性や、音に合わせて体をゆらす北欧人、ステージ上のボーイッシュなメイドに手を振られ、全力で答える女の子たちなど。私たちがイメージする“オタク文化の人たち”という先入観を改めさせられる多様性だ。
最後に彼女たちに聞いた。
——これからメイド文化がどのようになればいいと思いますか?
hitomi「まだまだ偏見の目が多い分野なので、体験をしたことのない人にもヘンなところじゃないよって知ってもらえたらうれしいですね。多くの人に親しみをもってもらえる環境を作っていければと思います」
ぽん「秋葉原という街も変わってきています。それに合わせて私たちも日本発信のこんなおもしろい文化があるんだよ、って広げていきたいです」
変わりゆくメイドカフェ文化。次回は実際にお店に伺って今の“萌え”を体験し、その魅力に迫る!
(TEXT:森田浩明)
「@home cafe Memorial Live」(8月16〜17日)
出演:完全メイド宣言、Pa☆letee、TEAM純情、DANCE POP GIRLS、あっとぐみ
※写真はDANCE POP GIRLS、あっとぐみ
メイドのコスチュームに身をつつんだ少女たちが迎えてくれるメイドカフェ。行ったことはないけれど知っているという人も多いだろう。
メイドカフェは2001年ごろ、サブカルチャーの聖地・秋葉原に誕生したと言われている。スタイルもメイド服を着ているウェイトレスがいる以外は普通の喫茶店というものから、より積極的に接客を行うタイプまで様々だ。
そんなメイドカフェについて“最近、あんまり聞かなくなったよね”という声もある。果たして今、メイドカフェ文化はどうなっているのだろう?
8月16、17日の2DAYSにわたって秋葉原PARMSで開催された秋葉原の老舗メイドカフェ『@ほぉ~むカフェ』10周年ライブイベント「@home cafe Memorial Live〜メイドルヒストリー〜」にうかがって話を聞いてきた。
今回答えてくれたのは『@ほぉ~むカフェ』の現役メイド、hitomiさん、みづきんさん、ぽんさん、3人の人気メイドたち。『@ほぉ~むカフェ』は、同店の『完全メイド宣言』というメイドユニットが“萌え~”という言葉でユーキャン新語・流行語大賞2005トップ10入りを果たすなど、このカルチャーを牽引してきたパイオニア的な存在だ。長い間、秋葉原のメイドカフェに身をおき、メインストリームを見続けてきた彼女たちに現状を聞いた。
「秋葉原がグローバルな場所に変わった」と答えたのはみづきんさん。
——まずは、いまと昔で秋葉原はどう変わりました?
みづきん「秋葉原という街は、コアな趣味の人が集まる場所ということで、以前はそんなにオープンな場所ではなかったと思います。でも、最近は若いカジュアルな人が増えました。あと、東京オリンピックの開催が決まってからは、目に見えて海外の方も多く訪れるようになったと思いますね」
hitomi「『@ほぉ~むカフェ』にご帰宅(来店)されるご主人さま・お嬢さま(お客さま)も様々で、アジアの方から欧米の方まで幅広いです」
「クール・ジャパン」の一角でもある、日本発のサブカル文化を求めて来店する外国人も多く、そういった状況をふまえて現在同店では、外国人の方への接客力向上のため、メイド向けに独自に英会話教室も行っているそうだ。
——“メイドカフェのピークは2005年ごろ”という意見もあります。現在、メイドカフェの数はどう変化していると思いますか?
みづきん「メイドカフェが一般的に知られて、数が増えたのは2004~2006年ごろだったと思います。なんとなく流行に乗って始めたお店はうまくいかなかった、という話は耳にしますね。とはいえ、老舗や多店舗経営しているお店は生き残っています。カフェ以外の業態を含めると、メイド関連のお店はまだまだ50店舗くらいはあるんじゃないでしょうか。メイドカフェも店舗形態がどんどん変化している気がします」
——どのような形態に変化したのでしょう?
hitomi「アイドル劇場という形態を取り入れたメイドカフェは確実に増えました。店内にステージを用意して、ご主人さま・お嬢さまがアイドルを育成する、といった感じで」
——では、客層に変化はありますか?
みづきん「先ほどお話ししたように、外国の方もそうですし、いわゆる皆さんが想像するような“オタク”という感じよりはアイドル好きの学生さんが多いですね。あとは、意外かもしれませんが女性の方も結構いらっしゃいます」
hitomi「もともと『@ほぉ~むカフェ』の常連のお嬢さまで、そのままメイドになるというパターンも多いですね」
この日のライブイベントでは彼女たちもステージ上で歌とダンスを披露。会場は後ろまで目一杯、数多くのご主人さま・お嬢さまがつめかけた。ロックライブのように手を突き上げるファッショナブルな若い男性や、音に合わせて体をゆらす北欧人、ステージ上のボーイッシュなメイドに手を振られ、全力で答える女の子たちなど。私たちがイメージする“オタク文化の人たち”という先入観を改めさせられる多様性だ。
最後に彼女たちに聞いた。
——これからメイド文化がどのようになればいいと思いますか?
hitomi「まだまだ偏見の目が多い分野なので、体験をしたことのない人にもヘンなところじゃないよって知ってもらえたらうれしいですね。多くの人に親しみをもってもらえる環境を作っていければと思います」
ぽん「秋葉原という街も変わってきています。それに合わせて私たちも日本発信のこんなおもしろい文化があるんだよ、って広げていきたいです」
変わりゆくメイドカフェ文化。次回は実際にお店に伺って今の“萌え”を体験し、その魅力に迫る!
(TEXT:森田浩明)
「@home cafe Memorial Live」(8月16〜17日)
出演:完全メイド宣言、Pa☆letee、TEAM純情、DANCE POP GIRLS、あっとぐみ
※写真はDANCE POP GIRLS、あっとぐみ