原作小説は累計20万部突破、コミカライズ版初版10万部発行、そしてゲーム化進行中とメディアミックスで話題に事欠かない「人狼ゲーム」の映画版、『人狼ゲーム ビーストサイド』が完成した。人狼側の視点で描く本作で、猟奇的なヒロイン・樺山由佳を熱演したのが、いま最旬の若手女優・土屋太鳳。平成27年度のNHK連続テレビ小説「まれ」のヒロインにも決定した土屋が、「これが勝負作だと思った」と身を削って挑戦した渾身作について語ってくれた。
――今回は、とてもハードな作風&役柄ですね。しかも、悪女を演じるのは初めてだそうで、すごく大変そうです。
「(樺山由佳役は)本当に手がかりが少なかった役柄だったので、難しかったです。今までは時代背景を調べて、作品のテーマを考えたりいろいろと準備をしていましたが、今回は自分の心の物差しを全部取り除いていかないと近寄れないキャラクターでした。今回の役柄で演じている人間の心のバランスが崩れていく表現は、表面的なことでは追いつかない気がして。演技でもその時その時は現実なので、いかにお互いを本当に追いつめていくかが課題でした。だから、役作りはなかったと思います」
――トラウマと闇がある女の子の役で、また新しい土屋さんの表情を見た気がしました。
「撮影中は……苦しかったです(笑)。以前、作品ごとに印象が全然違うと言っていただいたことがあって、それは素直にうれしいことですが、そのときはみんな私だと気がついてくれなかったみたいで。例えば、『リミット』というドラマでは三つ編みをしてメガネをかけていたので、終盤の方になって私だって気がついた方もいて(笑)。でも、このお仕事はそう言われないといけないと思っているので、繊細な演技ができる女優さんになりたいですね」
――今作は、サバイバル要素のホラー映画ですが、テーマはただ怖いだけじゃないんですよね。
「そうですね。今回の作品はサバイバルだけではなく、人が人でなくなることを描いている作品だと理解することで、それまで腑に落ちなかった要素がわかった気がして、少しだけ楽に撮影できました。そして、こういうことが現実に起きてはいけない、それを伝えられるように頑張ろうとも思いましたね。熊坂出監督は『剥き出せ! 曝け出せ!』とおっしゃって演技の土台を作ってくださいましたが、私も自分の魂を削って苦しまないと伝わらないと思ったので、ギリギリの精神状態に追い込み、撮影をしていましたね」
――現在は、NHK連続テレビ小説「花子とアン」や『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』に出演するなど、女優として大活躍中ですね。成長をしていくために、心がけていることはありますか?
「ちょうど、この映画を撮影している時、この役柄を一生懸命に悩み、葛藤して演じることで何かが変わる、この演技には何か大事なものがある、ここが踏ん張り時ということをすごく感じました。“ここが勝負!”みたいな(笑)。なぜだか、今を一生懸命に苦しまないとって思っていましたね。私自身、自己分析すると、勢いで突進していくタイプじゃなくて、現場に行くまでにしっかりと考え込み、現場で演技をするときにはすべてを忘れたいタイプなんです。ただ、そこで真っ白になった時、何かひとつは残っているものがあって、それを毎回探して演技の心の拠り所にしています。私は、しっかりと考えた過程が演じる役柄につながっていく気がしていて、それは毎回課題ではありますね」
――最後にメッセージをお願いします。
「この作品は、スタッフ、キャスト全員で真正面からぶつかりあって作った映画です。撮影したものだけど、感覚的にはこの現場は現実だと思っていたので、本当に怖かった(笑)。みんなが主役みたいな意識で、このメンバーだからこそつかみ取れたものがあったと思います。演技を中心に観たり、心理戦を中心に観たり、この映画はいろいろな見方があると思うので、ぜひ映画館で楽しんでほしいです。本当の自分は何? 生きている実感って何? とか、そういったことをみんなで感じてくれたらうれしいです!」
映画『人狼ゲーム ビーストサイド』は、新宿武蔵野館ほかにて全国大ヒット公開中!
© 2014 「人狼ゲーム BEAST SIDE」製作委員会
TEXT:鴇田 崇(OFFICE NIAGARA)
――今回は、とてもハードな作風&役柄ですね。しかも、悪女を演じるのは初めてだそうで、すごく大変そうです。
「(樺山由佳役は)本当に手がかりが少なかった役柄だったので、難しかったです。今までは時代背景を調べて、作品のテーマを考えたりいろいろと準備をしていましたが、今回は自分の心の物差しを全部取り除いていかないと近寄れないキャラクターでした。今回の役柄で演じている人間の心のバランスが崩れていく表現は、表面的なことでは追いつかない気がして。演技でもその時その時は現実なので、いかにお互いを本当に追いつめていくかが課題でした。だから、役作りはなかったと思います」
――トラウマと闇がある女の子の役で、また新しい土屋さんの表情を見た気がしました。
「撮影中は……苦しかったです(笑)。以前、作品ごとに印象が全然違うと言っていただいたことがあって、それは素直にうれしいことですが、そのときはみんな私だと気がついてくれなかったみたいで。例えば、『リミット』というドラマでは三つ編みをしてメガネをかけていたので、終盤の方になって私だって気がついた方もいて(笑)。でも、このお仕事はそう言われないといけないと思っているので、繊細な演技ができる女優さんになりたいですね」
――今作は、サバイバル要素のホラー映画ですが、テーマはただ怖いだけじゃないんですよね。
「そうですね。今回の作品はサバイバルだけではなく、人が人でなくなることを描いている作品だと理解することで、それまで腑に落ちなかった要素がわかった気がして、少しだけ楽に撮影できました。そして、こういうことが現実に起きてはいけない、それを伝えられるように頑張ろうとも思いましたね。熊坂出監督は『剥き出せ! 曝け出せ!』とおっしゃって演技の土台を作ってくださいましたが、私も自分の魂を削って苦しまないと伝わらないと思ったので、ギリギリの精神状態に追い込み、撮影をしていましたね」
――現在は、NHK連続テレビ小説「花子とアン」や『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』に出演するなど、女優として大活躍中ですね。成長をしていくために、心がけていることはありますか?
「ちょうど、この映画を撮影している時、この役柄を一生懸命に悩み、葛藤して演じることで何かが変わる、この演技には何か大事なものがある、ここが踏ん張り時ということをすごく感じました。“ここが勝負!”みたいな(笑)。なぜだか、今を一生懸命に苦しまないとって思っていましたね。私自身、自己分析すると、勢いで突進していくタイプじゃなくて、現場に行くまでにしっかりと考え込み、現場で演技をするときにはすべてを忘れたいタイプなんです。ただ、そこで真っ白になった時、何かひとつは残っているものがあって、それを毎回探して演技の心の拠り所にしています。私は、しっかりと考えた過程が演じる役柄につながっていく気がしていて、それは毎回課題ではありますね」
――最後にメッセージをお願いします。
「この作品は、スタッフ、キャスト全員で真正面からぶつかりあって作った映画です。撮影したものだけど、感覚的にはこの現場は現実だと思っていたので、本当に怖かった(笑)。みんなが主役みたいな意識で、このメンバーだからこそつかみ取れたものがあったと思います。演技を中心に観たり、心理戦を中心に観たり、この映画はいろいろな見方があると思うので、ぜひ映画館で楽しんでほしいです。本当の自分は何? 生きている実感って何? とか、そういったことをみんなで感じてくれたらうれしいです!」
映画『人狼ゲーム ビーストサイド』は、新宿武蔵野館ほかにて全国大ヒット公開中!
© 2014 「人狼ゲーム BEAST SIDE」製作委員会
TEXT:鴇田 崇(OFFICE NIAGARA)